2005 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルスゲノムRNAのウイルス粒子への選択的取り込み機構
Project/Area Number |
16017267
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
坂口 剛正 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (70196070)
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Keywords | ウイルス / センダイウイルス / 粒子形成 / ヌクレオカプシド / ウイルス様粒子 / AIP1 / Alix / RNA |
Research Abstract |
本研究の目的は、RNAウイルスのウイルス粒子へのゲノムRNA取り込み機構をパラミクソウイルスの粒子形成機構、特にヌクレオカプシド蛋白質とゲノムRNAとの特異的相互作用を解明することである。 1.センダイウイルスの構造蛋白質を発現するプラスミドを、複数組み合わせたウイルス様粒子(VLP)産生系で、N蛋白質発現により細胞内にヌクレオカプシド様のらせん状構造物が生成し、さらにそれがVLPの一部として細胞から出芽した。酵母でN蛋白質を単独で発現すると、同様に酵母の細胞質にらせん状構造物が生成した(Juozapaitis et al.)。このことからN蛋白質は非特異的にRNAと結合することを示した。 2.M蛋白質単独発現による出芽は、センダイウイルスの出芽と同様に(Watanabe et al.)プロテアソーム阻害剤に影響を受けるので、ユビキチンが出芽機構に関連していることが伺われる。また、M蛋白質による出芽は、AIP1によってもっとも影響を受け、Tsg101,Nedd4にはあまり影響されなかったので、AIP1、ユビキチンが関連するエンドソーム膜輸送経路が出芽に関連することが推察される。 3.M蛋白質以外のC蛋白質について、C蛋白質がAIP1と相互作用して、M蛋白質の作用に加えて出芽を促進していることを明らかにした(Sakaguchi et al.)。AIP1と結合するC蛋白質の領域、アミノ酸残基を同定し、点変異でAIP1と結合できなくなったC蛋白質をもつウイルスを調製中である。 以上のように、パラミクソウイルスの出芽と粒子形成に必要なウイルス蛋白質、それに必要なシグナル、関連する宿主因子が明らかになりつつある。発表済みのものに加えて、さらに成果を論文としてまとめる予定である。
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Research Products
(3 results)