2004 Fiscal Year Annual Research Report
表皮剥脱毒素スーパーファミリーの作用機構に関する研究
Project/Area Number |
16017268
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
菅井 基行 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10201568)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 環 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (90274092)
|
Keywords | Exfoliative toxin / デスモグレイン / プロテアーゼ / 表皮 / 黄色ブドウ球菌 |
Research Abstract |
黄色ブドウ球菌が産生する表皮剥脱毒素(ET)は、新生児、幼児の伝染性膿痂疹患部皮膚に水疱形成、剥脱を引き起こす原因毒素である。ETファミリーは現在血清学的違いによりETA、ETB、ETDの3種類が報告され、Amagai、Stanley、Yamaguchiらの共同研究により、ETファミリーの標的蛋白が表皮細胞間の接着を担うデスモグレイン1(Dsg1)であることが証明された。以来ETの機能活性測定にはAmagaiらにより確立されたバキュロウイルス発現系により精製したDsg1蛋白が用いられてきた。ETファミリーとDsg1との詳細な相互作用解析を行うためには、大量で高純度なDsg1蛋白を必要とする。しかしバキュロウイルス発現系による大量の精製標品調整は労力、コストの面で多大な困難が予想される。そこで、大腸菌発現系を用いた大量精製法の確立を試みた。ヒトDsg1(hDsg1)細胞外領域の様々なtruncated formを作製し、ETに対する感受性ならびに発現量を検討した。その結果、hDsg1240〜545アミノ酸領域がETファミリーに対し高感受性で、もっとも高発現、高純度に精製できることを見出した。BiacoreXを用いてETファミリーとの親和性を測定した結果、hDsg1_<240-545>とETファミリーとが強い親和性を示すことが明らかとなった。同様な発現系を用い、マウスDsg1(mDsg1)_<240-545>の発現、精製を行った。ETファミリーに対する感受性、親和性に関し検討した結果、mDsg1_<240-545>はETファミリーに対する感受性は有するが、hDsg1_<240-545>に比べETファミリーに対する親和性が低いことが示された。
|
Research Products
(3 results)