2004 Fiscal Year Annual Research Report
マラリア原虫メロゾイトの赤血球結合蛋白質の赤血球側レセプターの同定
Project/Area Number |
16017272
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
鳥居 本美 愛媛大学, 医学部, 教授 (20164072)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 修 愛媛大学, 医学部, 助教授 (50325370)
|
Keywords | マラリア原虫 / 赤血球結合蛋白質 / レセプター / GPIアンカー |
Research Abstract |
マラリア原虫の赤血球侵入型(メロゾイト)は赤血球内に形成される寄生胞膜の内部に侵入するが、寄生胞膜の形成にはメロゾイトの先端部小器官であるロプトリーが重要な役割を果たすと考えられている。我々はロプトリーに局在する蛋白のうちRhopH複合体(RhopH 1/2/3)とよばれる蛋白をコードする遺伝子群を同定し、またRhopH複合体が赤血球結合リガンドであることを明らかにしてきた。本研究ではRhopH複合体の赤血球侵入における役割を明らかにする最初のステップとして、ネズミマラリア原虫(Plasmodium yoelii)のRhopH複合体の赤血球側レセプターの同定を試み、以下の結果を得た。(1)PyRhopH複合体に対する特異的モノクローナル抗体を用いたフローサイトメトリーによりPyRhopH複合体の赤血球への結合を半定量的に測定する系を構築した。この系を用いて酵素処理を加えた赤皿球や遺伝子改変マウスの赤血球について結合能を検討したところ、PyRhopH複合体の赤血球側レセプターはGPIアンカーにより赤血球表面に結合している蛋白質である可能性が示唆された。さらに、in vivoにおいてGPIアンカー欠損赤血球への原虫感染を検討した結果、GPIアンカー欠損赤血球はP.yoeliiの侵入に抵抗性であることが示された。(2)複数のマウス系統由来の赤血球を用いてPyRhopH複合体の赤血球結合能を検討したところ、系統間で結合の程度に差が認められた。赤血球側レセプターに蛋白質が含まれることが判明しているため、連鎖解析の手法によりレセプターをコードする遺伝子座が局在する染色体領域を決定できる可能性が高いと考え、PyRhopH複合体の赤血球結合の程度に著しい差が見られたC57B/6J系マウスとMSM/Ms系マウス間の遺伝子交配系を用いて、赤血球結合能と関連する染色体領域の探索を行った。その結果、特定の染色体領域がPyRhopH複合体の結合と関連することを見出した。
|
Research Products
(5 results)