2004 Fiscal Year Annual Research Report
口腔慢性細菌感染の心血管系および骨代謝系への影響とその病原因子に関する研究
Project/Area Number |
16017282
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中山 浩次 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80150473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大原 直也 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (70223930)
内藤 真理子 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (20244072)
庄子 幹郎 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (10336175)
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Keywords | 感染症 / 細菌 / 歯学 / 循環器・高血圧 / 免疫学 |
Research Abstract |
1)Porphyromonas gingivalisの血小板凝集活性について解析を進めているが、昨年度に報告した本菌のadhesin domainの1つであるHgp44の組換えタンパク(rHgp44)を作製し、その血小板凝集活性を検討した。rHgp44単独では血小板凝集活性はなかったが、凝集活性を失った変異株であるKDP136(rgpA rgpB kgp)や新たに作製した4重変異株(rgpA rgpB kgp hagA)に予めrHgp44を混和すると血小板凝集活性が復活した。この結果はHgp44アドヘジンが本菌の血小板凝集活性に必要な1因子であることを示唆した。また、血小板上の受容体についての解析を行い、昨年、GPIbレセプターが関与することを報告したが、今年度はさらにFCγRIIaレセプターが必須因子であること、血漿中のIgGが必要であること、などがわかった。 2)P.gingivalisのadhesin domain proteinの1つであるHgp15(HbR)について破骨細胞分化へ及ぼす影響について検討した。Hgp15タンパクは本菌を長時間培養すると培養上清中にもっとも多量に産生されるタンパクであり、ヘモグロビン結合活性、ラクトフェリン結合活性を有する分子量15Kの酸性タンパクである。骨髄マクロファージにM-CSFとRANKLを作用させると4〜5日で多核の破骨細胞に分化するが、この系に組換えHgp15(rHgp15)を添加すると1μg/ml以上の濃度で破骨細胞分化が顕著に抑制されることがわかった。この組換えタンパク画分にはLPSは10pg/μgタンパク程度の混入があるが、この量のLPSでは抑制はみられなかった。また、LPSの阻害物質であるポリミキシンBを添加してもrHgp15の抑制作用には影響がなかった。免疫染色によりrHgp15は骨髄マクロファージの表面に結合していることがわかった。また、RANKLによるAktのリン酸化やNFAT2の増加がrHgp15により顕著に阻害された。
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Research Products
(5 results)