2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16017284
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
森田 公一 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (40182240)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福家 巧 (財)阪大微生物病研究会, 観音寺研究所, 研究グループリーダー
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Keywords | 西ナイル熱 / ウエストナイル熱 / フラビウイルス / ウイルス脳炎 / ワクチン |
Research Abstract |
1)ヒト用ワクチン(不活化ワクチン): Vero細胞を用いた浮遊細胞系で西ナイルウイルス(ニューヨーク株)を大量生産し日本脳炎不活化ワクチン製造と同じ方法により濃縮ワクチン原液を作製した。これを用いて小中動物に接種してGLP試験を実施した。その結果動物での安全性が確認され、ヒトでの1相試験が実施できる準備が整った。今後、実用化に向けてヒトでの治験に用いるワクチンを準備中である。 2)組換えウイルスによる動物用生ワクチンの試作: 日本脳炎動物用生ワクチン株(ML17株)のC、NS1〜5蛋白、非翻訳領域のcDNA断片と西ナイルウイルス遺伝子prM-E蛋白領域のcDNA断片からなる完全長のcDNAから転写したキメラウイルスRNAを蚊培養細胞C6/36細胞、Vero細胞に電気的に導入して感染させ、感染性ウイルスを作成できた。同様にして西ナイルウイルスE蛋白領域をもつキメラウイルスの作成も可能であった。 これらのウイルスはML17株の持つ種々のウイルス弱毒マーカー(プラークの大きさやマウスに接種した場合の病原性など)を維持していた。このウイルスを接種したマウスは1000FFU以上の接種で良好な抗西ナイルウイルス中和抗体の産生を見た。またこれらの免疫マウスに100LD50の西ナイルウイルスで攻撃した場合にはマウスは致死的な感染から逃れることが確認された。今後、実用化に向けてこのキメラ生ワクチン候補株の脳内接種での病原性の有無と程度、および中動物での感染性、免疫性等の試験が必要である。
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