2005 Fiscal Year Annual Research Report
細菌の情報伝達機構をターゲットとした新しい感染症治療法に関する研究
Project/Area Number |
16017297
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
舘田 一博 東邦大学, 医学部, 助教授 (20236558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 良和 東邦大学, 医学部, 助手 (90246695)
宮入 伸一 日本大学, 薬学部, 教授 (50209855)
堀川 学 サントリー生物有機科学研究所, 研究員 (70270569)
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Keywords | 緑膿菌 / Quorum-sensing / Autoinducer / マクロライド |
Research Abstract |
本研究3年計画の3年目を実施し、以下の項目において研究の成果が得られた。 (1)マクロライド誘導体のQuorum-sensing阻害活性について検討し、いくつかの化合物が強いQuorum-sensing阻害活性を有していることを確認した。(2)Antoinducer分子の誘導体を多数合成してその阻害活性を検討したところ、ある種の化合物が緑膿菌Quorum-sensing機構に対して強い抑制効果を有することを見出した。(3)緑膿菌Quorum-sensing機構に関与する遺伝子(lasI,lasR,rhlI, rhlRなど)のreal time PCR発現評価系により、それぞれの遺伝子発現について検討を加えた。その結果、マクロライド剤によるQuorum-sensing機構の抑制はこれら関連遺伝子の抑制では説明できないことが明らかとなった。これらの知見をもとに、現在マクロライド剤の標的蛋白の探索を行っている。(4)緑膿菌Quorum-sensing機構に関わる蛋白の精製と抗体作成を行い、autoinducer分子C_<12>-HSLのELISAによる定量評価系を確立するとともに、C_<12>-HSLに対するワクチン療法の可能性について検討を加えた。(5)autoinducer分子の生体細胞へ及ぼす影響について検討し、C12-HSLがマクロファージ・好中球に対して強いアポトーシス誘導能があることを確認し、さらにautoinducer分子に対する生体側受容体の探索、およびその細胞内シグナル伝達系への影響について検討を加えた。C12-HSLに対する生体側ターゲット分子の探索に関してはプロテイン・アレイ法およびDNAアレイ法を用いた検討も同時に実施しており、いくつかの候補蛋白が推定されている。
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Research Products
(6 results)