2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16017304
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
間 陽子 独立行政法人理化学研究所, 分子ウイルス学研究ユニット, 研究ユニットリーダー (50182994)
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Keywords | HIV-1 Vpr / 核移行 / Vpr変異体ウイルスintegration complex (PIC) / in vitro nucleor import assay / 最終分化マクロファージ / 活性化CD4^+T細胞 |
Research Abstract |
ヒト免疫不全ウイルス(HIV-1)Vprはウイルス粒子に取り込まれるアクセサリー遺伝子産物であり、HIV-1 Pre-integration complex (PIC)のマクロファージにおける核移行に重要である。これまで我々は、Vprがimportin αのみを介して核移行することを明らかにしてきた。本研究では、Vprの核移行能と、Vprとimportin α及びβとの結合能との相関性を、典型的な核移行を示すSV-40 NLSと比較した。in vitro核移行解析とimportin α及びβとの結合をGST-pull down assayで解析した結果、Vprはimportin βの量依存的に核移行能が抑制され、同時にimportin αとの結合が失われる競合阻害が認められた。次に、α側のimportin β binding domainを欠失した変異体ΔIBB importin αを用いて同様の解析を行った結果、VprはΔIBB importin αと結合し核移行したが、予想に反して、importin βはその過程とVprの核膜への局在をも阻害した。以上の結果から、Vprの核移行にはimportin αとの結合と核膜局在が必要であることが明らかとなった。また、最終分化マクロファージにVprをマイクロインジェクション後、蛍光バイオイメージング解析を行なうと、Vprは生細胞内においても核移行を示したが、importin αとの結合および核膜局在を失ったVpr変異体は、核移行能を完全に消失しいた。更に、これらのVpr変異体を有するHIV-1は最終分化マクロファージへの感染効率が著しく減少した。 以上の結果から、マクロファージへの感染はVprの核移行および核膜局在を消失するだけで、阻止できることが示唆された。
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Research Products
(8 results)