2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト抗原提示細胞の宿主レセプターと微生物成分特異的応答性
Project/Area Number |
16017323
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
瀬谷 司 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10301805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 美佐子 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (30332456)
櫨木 薫 広島大学, 医歯薬学総合研究科, 助手 (50146007)
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Keywords | ウイルス / がん免疫 / 抗原掲示細胞 / NK細胞 / 細胞障害性Tリンパ球 / IFN-β / cross-priming |
Research Abstract |
B16株B16D8とC57BL/6によるシンジェニック移植がんの系を作製した。移植腫瘍はBCG-CWSなどTLR2/TLR4、MyD88-依存性経路でCTL依存性に退縮し,PolyI:CなどTLR3,TICAM-1-依存性経路でNK活性化により退縮した。TICAM-1(TRIF)のKOマウスがC57BL/6backgroundで作製できたので、後者のpolyI:C依存性の腫瘍退縮のメカニズムを解析した。MHC陰性のB16melanomaはTICAM-1依存性、IFN-beta依存性に腫瘍退縮し、NKをasialoGM-1抗体で除去すると腫瘍退縮も起きなくなった。従って、MHC陰性がんはpolyI:CのNK誘導によって排除されうる。一方、MHC陽性のEL4などはNK以外のエフェクターでpolyI:C-TLR3-TICAM依存性に退縮することが判明した。この場合は外来抗原に対して,cross-primingを誘起し、class I抗原提示を促進する。結果として抗がんCTLが誘導される。従って、TICAMはNK、CTL2種のエフェクターを誘導しうる。MyD88も(前報告)TICAMもcross-primingを惹起させることからcross-primingは複数の経路でサポートされて、外来抗原をclass I提示に導くと推定される。しかし、腫瘍の再移植実験で同じB16D8亜株を移植すると生着する例、拒絶する例に分かれる。生着はメモリー形成不全、拒絶はメモリー成立を示唆する。あるいは、Tregの誘導・非誘導をそれぞれ反映するかもしれない。この点は別途検討予定である。 この結果をウイルス感染の系で査定しているが、polyI:C認識がRIG-Iという細胞質レセプターで認識されることが判明したので、以下の2つの系をウイルス種ごとに検討中である。1.樹状細胞(mDC)にウイルスが感染した場合、RIG-I認識でCTL誘導が起きるか?2.上皮系細胞などが感染源の場合、アポトーシスを起こした細胞がRNA,抗原蛋白とともにmDCに取り込まれてTLR3-TICAM依存性のcross-primingが誘導されるか?がウイルス感染の問題点である。KOマウスを使ってRSV,measles,HCV,VSVなどでこの点を解析中である。
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Research Products
(16 results)