2004 Fiscal Year Annual Research Report
重症急性呼吸器症候群(SARS)ウイルスに対するワクチン開発と免疫予防機構の研究
Project/Area Number |
16017324
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Research Institution | Clinical Research Center, National Hospital Organization, Kinki-Chuo Chest Medical Center |
Principal Investigator |
岡田 全司 独立行政法人近畿中央胸部疾患センター, 臨床研究センター, 臨床研究センター長 (40160684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥野 良信 大阪府立公衆衛生研究所, 感染症部, 部長 (30112064)
吉田 栄人 自治医学大学, 医動物学, 講師 (10296121)
松本 真 大塚製薬株式会社, 微生物研究所, 所長
鈴木 克洋 独立行政法人近畿中央胸部疾患センター, 臨床研究センター・感染研究部, 部長 (00206468)
露口 一成 独立行政法人近畿中央胸部疾患センター, 臨床研究センター・感染症研究部・感染症診断治療研究室, 室長 (00359308)
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Keywords | SARSワクチン / DNAワクチン / キラーT細胞 / 中和抗体 / ACIDマウス / Mタンパク / Nタンパク / 肺胞上皮細胞 |
Research Abstract |
1.(1)中和抗体依存性SARSワクチンの開発と、(2)キラーT細胞依存性SARS DNAワクチンの開発とこれらの感染免疫機構の解明、(3)SCID-PBL/huを用いたSARSワクチンの開発とその感染免疫機構の解明を行った。 2.SARSウイルスHKU39849のS、M、N、Eの各ウイルス構造タンパクcDNA及びSARS TW1株のcDNAをpcDNA3.1(+)ベクター及び、His-Tag発現ベクターに構築し、真核細胞及び大腸菌に導入した。NとMのリコンビナント蛋白を作製した。 3.細胞性免疫(キラーT細胞)による新しいSARS DNAワクチンの開発 (1)マウスII型肺胞上皮cell line(T7)細胞にS、NDNAを導入し、これを抗原として用い、IFN-γ産生によるキラーT活性を測定し、又、キラーT及びヘルパーT細胞の増殖反応をBrdUで測定し、SARS(N)DNAワクチンとSARS(M)DNAワクチンが強力なT細胞活性化SARSワクチンであることが示唆された。(2)SARS DNAワクチンで免疫したSCID-PBL/hu脾リンパ球中のヒト・キラーT細胞活性を測定する系を確立した。SARS(N)、SARS(M)DNAワクチンは、ヒト・キラーT細胞分化及び増殖機能を示し、ヒトT細胞活性化SARSワクチンであることを示した。すなわち、4種のS、M、N、EDNAワクチンをマウス及びヒト免疫応答を解析しうるSCID-PBL/huに免疫し、細胞性免疫(キラーT細胞)を介してワクチン効果を発揮するSARS(N)DNAワクチン及びSARS(M)DNAワクチンを開発した。 4.さらにSCID-PBL/huを用い、SARSウイルス増殖阻止活性を示すヒト抗体を誘導するSARSDNAワクチンを作製した。
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