2004 Fiscal Year Annual Research Report
幕末における洋式海事技術関係書・翻訳書の所在調査と総合目録の作成
Project/Area Number |
16018203
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安達 裕之 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (20012495)
|
Keywords | 日本史 / 幕末 / 日本の近代化 / 造船史 / 造船学史 / 翻訳書 / 書誌学 |
Research Abstract |
本年度は、国立国会図書館、国立公文書館内閣文庫、近藤海事記念財団文庫(都立中央図書館蔵)、彰考館徳川博物館、黒羽藩校作新館旧蔵図書(芭蕉の館蔵)、豊橋市立中央図書館、住田文庫(神戸大学付属図書館蔵)、神戸大学海事博物館、渡辺蒿三文書(萩博物館蔵)、佐賀県立図書館を調査して、目録を作成した。なお、本研究の対象とする洋式海事関係書・翻訳書は幕末であるが、明治10年代までの当該書もしくは19世紀中期以前の海事関係の洋書が所蔵されている場合には、それもあわせて調査し、目録を作成することにした。 複写したのは国立国会図書館、内閣文庫、芭蕉の館の所蔵する当該書である。 目録化した資料のうちめぼしいところを挙げておくと、長崎で行われた海軍伝習のノート類として『造船書』・『造船留書』・『軍艦造法』・『船具全書』があり、翻訳書としては『軍艦図解』・『七種軍艦造法論』・『軍艦利尼舶製造伝書』・『造艦全書抄訳』・『蒸気機械全書』・『蒸船新書』・『蒸気機械全書』・『洋外螺機新論』・『造釜論』・『蒸気船造機盤論』・『舶具書』・『船具絵説』・『船具標解』・『艦体分解図』・『帆船図解』・『航海術船具要目』・『船具図解』・『軍艦内則』などがある。翻訳書の底本は『七種軍艦造法論』がL.van Zwijndrecht, Verhandeling van den Hollandschen Scheepsbouw,1757、『軍艦利尼舶製造伝書』がJ.C.Rijk, Handleiding tot de Kennis van den Scheepsbouw,1882、『蒸気船造機盤論』がH.Huygens, De Scheeps-Stoomketeles,1853、『洋外螺機新論』がH.Huygens, Bijdrage tot de Kennis der Schroef-Stoomwerktuigen,1856であるが、他の翻訳書の底本については、目下、調査中である。なお、幕末の翻訳書の底本は蘭書であるが、維新後はほとんどが英書である。
|