2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16018218
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
沓澤 宣賢 東海大学, 総合教育センター, 教授 (20119671)
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Keywords | 日本史 / 古写真 / 江戸の技 / 江戸の知 / コレクション |
Research Abstract |
「国内外における古写真コレクションに関する調査研究亅というテーマで、古写真(幕末〜明治初期)にみられる江戸のモノづくりの様子や、職人たちの活動の様子を映像資料から検討した。今回、海外での調査先としてドイツシュルヒテルンのシーボルトの子孫にあたるブランデンシュタイン家で、主にアレクサンダーやハインリッヒの手元に残された写真資料の調査を行なった。この他、ミュンヘンのドイツ博物館、ミュンヘン市立博物館などでも古写真の調査を行なった。オーストリアでは、ウイーンの応用美術博物館で館所蔵の古写真調査を行ない、1868-1871年にかけてタイ、中国、日本を訪れたビィルヘルム・ビュルゲルの写真帖や、ウイーン万博関係の古写真などを閲覧することができた。また、ウイーン自然史博物館や軍事博物館でも調査を行なった。こうした海外での調査を通じて判ったことは、博物館などの公的機関だけでなく個人のコレクターが所蔵している古写真も多いということである。個人所蔵の古写真を閲覧することに関しては困難もあるが、資料として貴重のものも多いと考えられることから、今後実現をはかっていく必要があろう。 国内では、長崎のシーボルト記念館をはじめ古写真資料館、長崎大学附属図書館の古写真データベース、東京都港区立港郷土資料館の井関盛良旧蔵コレクション、東京国立博物館所蔵古写真目録、ファーイースト所載古写真などの調査を行なった。国内の古写真については、データベース化されているものも多く研究上の便宜がはかられている。今後は、国内のこうした研究機関とも連絡をとりながら、出来るだけ多くの目録やデータベースを蒐集し、古写真の総合的データベースを作成したいと考えている 他に、平成16年12月に長崎大学で行なわれた上野彦馬没後100年記念リレーシンポジウム「日本における写真の源流」に参加し、関係者と意見交換を行ない多くの情報・資料を得られたことも有意義であった。今年度の研究成果の一部は、2005年3月発行予定の「シーボルト記念館 鳴滝紀要」に掲載の予定である。来年度は、今年度の調査結果と併せてこれまで調査した国内外の古写真についてデータベース化し、目録のような形にまとめたいと考えている。
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