2004 Fiscal Year Annual Research Report
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16018227
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Research Institution | Kitasato Institute |
Principal Investigator |
小曽戸 洋 社団法人北里研究所, 東洋医学総合研究所・医史学研究部, 部長 (90186693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
町 泉寿郎 二松学舎大学, 東アジア学術総合研究所, 講師 (40301733)
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Keywords | 石原保秀 / 東亜医学協会 / 高田藩医合田家 / 曲直瀬養安院 / 岡田昌春 / 安西安周 / 湯本求真 / 三木栄 |
Research Abstract |
当該研究の目的・計画にもとずき、本年度においては、次の調査研究および古書・古文書の修理保全作業を行った。 (1)石原保秀・東亜医学協会旧蔵古医書の整理、目録作成、修復作業。古医学研究家石原保秀(1877〜1943)の蔵書は1940年東亜医学協会に譲渡され、さらに1972年(財)日本漢方医学研究所に寄贈。うち古医書類は2004年初に当研究部に寄託された。整理の結果、総計870点、2465冊を確認。目録を作成し、保存帙413点、保存袋370点を新作して専用の書棚に配架した。虫損書は少なからずあり、現在までに約20点、80冊を修理した。目下修理作業は継続中である。子細は日本医史学会平成16年11月例会で発表した。 (2)合田文庫の整理、目録作成、修復作業。2004年8月、当研究部では三鷹市下連雀の合田喬氏(越後高田藩医の子孫)から家伝の古書139点、451冊(うち医書103点、284冊)の譲渡を受けた。整理、目録作成、修復作業を行い、完了した。その子細は日本医史学会平成16年10月例会で発表した。 (3)曲直瀬養安院家文書の調査研究、資料目録作成、修復作業。同家は幕府最高格の医官で、400年続く家系。愛知県知多郡在住の曲直瀬暢夫氏はその末孫で、初代からの文書類を保有しているが、1959年の伊勢湾台風、2000年の東海豪雨などの数度の水害で損傷甚だしく、多くは披見に耐えぬ状態であった。これらを2004年7月・9月・10月の3度にわたって当研究部に搬出し、技術の限りを尽くして修復。整理作業を行った結果、約70類、約300点の史料を得た。本年度最大の収穫といえる。子細は平成17年6月の日本医史学会総会で3報にわたり報告予定。 (4)以上のほか、当研究部で保管する岡田昌春文書の補遺、安西安周旧蔵書の修復整理、また湯本求真旧蔵書(ウチダ和漢薬)、大塚修琴堂書画(大塚家)、飯山文庫(北里大学医学部図書館)、三木栄資料(当研究部)の目録作成を終了した。
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