2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトプレB細胞よりBLM破壊株の作製とその非相同組換え能の解析
Project/Area Number |
16021247
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
小山 秀機 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 教授 (40085626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 典隆 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 助手 (30264675)
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Keywords | ブルーム症候群 / がん / 非相同的末端連結 / ヒト細胞 / ジーンターゲティング / BLM / DNAリガーゼIV / KU70 |
Research Abstract |
高発がん性遺伝病ブルーム症候群は、高頻度の姉妹染色体交換とともに欠失、転座などの染色体異常を示す。この異常の原因となり発がんにつながる可能性のあるエラープローンの非相同的末端連結(NHEJ)の解析は、わずかである。我々はヒトプレB細胞腫由来Nalm-6株およびNHEJに必須のDNAリガーゼIV(Lig4)欠損株から、ジーンターゲティングによりBLM破壊株と2重破壊株を取得し、性状解析を行った。また、4株のHPRT座へSceI部位を導入した株を作製し、ついでSceI発現ベクターを導入・誘発した2重鎖切断(DSB)のNHEJによる修復能を解析した。その結果、BLM破壊株は野生株に比べて増殖遅延や1本鎖切断を生じるMMSやUVに対する高感受性、突然変異率の上昇などの表現型を示したが、興味深いことに、これら表現型はLig4欠損との2重破壊株では抑制された。これはBLM破壊株において、DNA複製の際に1本鎖切断からone-ended DSBを多数生じ、NHEJ修復による異常な組換えにより細胞死を起こすためと考える。一方、染色体SceI部位に誘導したtwo-ended DSBのNHEJ修復において、BLM破壊株は野生株とほぼ同じ修復パターンを示した。この結果から、ブルーム細胞においてone-ended DSBのNHEJ修復が、染色体異常を引き起こす原因であることが示唆される。一方、NHEJの主要因子KU70の破壊株作製のため、野生株をターゲティングしてヘテロ破壊株を得たがホモ破壊株が得られず、KU70は増殖・生存に必須と考える。そこでTet制御系を用いた条件致死株の作製を試み、ヘテロ破壊株にTet制御ベクターを導入した。ついでTet応答性ヒトKU70 cDNAベクターを導入し、DOXで制御できる株を分離した。この株を用いてKU70遺伝子のターゲティングを行った。
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Research Products
(6 results)