2004 Fiscal Year Annual Research Report
MAPキナーゼシグナルと癌細胞の運動におけるアクチン重合制御
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16022220
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
末次 志郎 東京大学, 医科学研究所, 助手 (70345031)
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Keywords | WAVE2 / リン酸化 / 転移 / 細胞運動 / actin cytoskeleton / MAPキナーゼ |
Research Abstract |
WAVE2は細胞の移動先端で生じる葉状仮足形成に必要不可欠なタンパク質であり、葉状仮足形成を通じて細胞の運動を制御している。本年度の研究では、WAVE2がMAPキナーゼによってリン酸化されることを見いだしていたので、リン酸化サイトをプロリンリッチ領域およびC末部に同定した。プロリンリッチ部位のリン酸化はリン酸化のおおきな割合を占めていた。 しかしながら、リン酸化の有無でWAVE2をふくむタンパク質複合体の構成に大きな変化を見いだすことができなかった。 また、WAVE2ノックアウト繊維芽細胞の葉状仮足形成のおよび細胞運動の欠陥をプロリンリッチ部位のリン酸化されないWAVE2の変異体でも回復することができたので、葉状仮足形成にこのリン酸化が積極的に関与している可能性は否定された。C末部のリン酸化の意義については未だ解析できていない。B16メラノーマがん細胞系列をもちいてWAVE2とがんの転移能の相関を検討したところ、WAVE2は正常細胞の運動だけでなく、マウスを用いたin vivoのがん細胞の転移にも必要不可欠であった。しかし転移性の高い系列でもリン酸化の顕著な上昇は見られなかった。 次に、種々の大腸がん細胞株を用いてWAVE2のリン酸化レベルを検討したところ、Erkの活性の高い細胞株でWAVE2のリン酸化が高い傾向が見られた。しかしながら、WAVE2のリン酸化と運動能との高い相関は見られなかった。
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[Journal Article] WAVE/Scars in Platelets2004
Author(s)
Oda A, Miki H, Wada I, Yamaguchi H, Yamazaki D, Suetsugu S, Nakajima M, Nakayama A, Okawa K, Miyazaki H, Matsuno K, Ochs HD, Machesky LM, Fujita H, Takanawa T.
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Journal Title
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