2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16022239
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松浦 成昭 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70190402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 秀樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60191558)
河口 直正 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70224748)
山本 康子 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 助手 (00331869)
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Keywords | インテグリン / 脳転移 / ラミニン |
Research Abstract |
本研究は癌の転移性、転移の臓器特異性における接着分子インテグリン分子の役割を解明することを目的とする。今年度は脳転移をターゲットに研究をおこなった。マウスを用いて肺癌細胞株でin vivoにおける脳転移および骨転移のセレクションを行い、高率に脳転移、骨転移を起こす細胞を作成し、インテグリンの発現を検討した。数種類のヒト肺癌細胞株をヌードマウスの尾静脈あるいは心腔内に投与した後に、形成された脳転移巣および骨転移巣を培養し、再度ヌードマウスに注射するとin vivoのセレクションを5回繰り返した。得られた細胞は脳転移および骨転移を高率に起こす性質を獲得していた。それらの高転移細胞におけるインテグリンファミリー分子の検討を行った所、脳転移を起こす細胞株にα3β1の高発現が見られた。骨転移とインテグリンとの関係は見られなかった。次に、CHO細胞にインテグリンα3β1を遺伝子導入し、ヌードマウスに接種して転移の分布を観察したところ、脳への転移が高率に観察された。さらに脳転移を起こしたヒト癌組織におけるインテグリンα3β1の発現を免疫染色で検討したところ、脳転移巣に見られた癌細胞において、α3β1の染色性が高まっていた。α3β1を高発現した細胞はラミニン5に対する接着性、運動性が亢進しており、脳に豊富に存在するラミニン5との相互作用を介して脳への転移性を亢進させたものと考えられた。今後、インテグリンα3β1のターゲットにした脳転移の診断・治療への応用が期待される。
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Research Products
(7 results)