2004 Fiscal Year Annual Research Report
がん化と細胞死に伴うスプライシング変化とそれによる遺伝子発現制御の解析
Project/Area Number |
16022246
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
奥村 雅代 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (10362849)
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Keywords | がん / スプライシング |
Research Abstract |
ASAPデータベース、他の論文、スプライシングパターンを参考に78例を選び出し、それらについてヒトColon、Kidney、Lung、Uterusそれぞれの正常組織及びがん組織のRNAについてスプライシングパターンを調べた。うち4例において全ての組織で正常組織とがん組織の間に差が見られた。そのうち3例、tropomyosin 1α鎖の第6エクソンとintegrin β4サブユニットの第33エクソン、actinin 1の第19エクソンについてエクソントラップベクターを構築してがん由来培養細胞に導入し、スプライシングパターンを観察した。いずれも標的エクソンの上流200bp〜下流300bpを含むように構築したが、いずれもがん組織におけるスプライシングパターンの傾向が維持されていた。tropomyosin 1、integrin β4サブユニットについてはエクソンをけずったり、入れ替えたりしてもこのパターンに変化は見られなかったことから、制御に関わるシス配列はイントロン上に存在すると考えられる。また、マウスが由来細胞株におけるマウスtropomyosin 1、integrin β4サブユニットはヒトのがんスプライシングパターンを示さなかったにも関わらず、この細胞にヒトの配列をもったエクソントラップベクターを導入するとそれが再現されたことから、ヒトとマウスの配列の相違部分が制御配列である可能性が高い。 これらエクソントラップのベクターの更なる改変体の作製、及び正常細胞のモデルとして初代培養細胞への導入により、さらに詳細な制御配列の同定を試みている。
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