2004 Fiscal Year Annual Research Report
膜貫通ドメイン隣接領域によるカドヘリン活性制御機構の解明
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16022251
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
小澤 政之 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90136854)
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Keywords | カドヘリン / カテニン / 細胞質 / チロシンリン酸化 / p120 / ユビキチン化 / v-Src / Hakai |
Research Abstract |
カドヘリンは細胞と細胞をくっ付けるはたらきをしている。カドヘリンがはたらかなくなった結果、癌細胞の浸潤性が増大し、その結果、癌の転移が誘発されることが知られている。カドヘリンがはたらかなくなる理由には、1)遺伝子に変異が起こり機能を持ったカドヘリンが作られなくなる、2)合成が抑えられたり、分解が亢進してしまい機能を持ったカドヘリンの数が足りなくなる、3)カドヘリンの活性制御機構の破綻の結果カドヘリンが機能できなくなる、等が考えられる。このうち、3)が一番解かっていない。カドヘリンの活性制御において、カドヘリンの細胞質ドメインの膜貫通部位に隣接した領域(MP領域)が重要なはたらきをしていることが示され、そこに結合する分子としてp120が注目されている。また、この領域にはv-Srcnによりリン酸化を受け、その結果、Hakaiによるユビキチン化と細胞内への取り込みに関与しているとされるチロシン残基が存在する。そこで、この領域に注目して解析を行った。各種変異カドヘリンをL細胞で発現させ、その接着活性を測定した。その結果、次の点が明らかになった。カドヘリンの貫通ドメイン隣接領域にはp120の結合部位があるが、これに変異を導入してp120が結合できないようにしたカドヘリンも接着活性を示し、米国のグループが報告しているようなコンパクションを起こす活性がなくなることもなかった。また、このp120結合部位の近傍にはv-Srcによりリン酸化を受け、その結果Hakaiによるユビキチン化と細胞内への取り込みに関連すると報告されているチロシン残基を含む領域もあるがこのチロシン残基に置換を導入しても活性に変化は認められなかった。
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