2004 Fiscal Year Annual Research Report
Abiファミリータンパク質によるチロシンリン酸化酵素Ablの活性制御
Project/Area Number |
16022259
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
谷 佳津子 東京薬科大学, 生命科学部, 助教授 (40266896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宍戸 知行 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (80321701)
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Keywords | チロシンリン酸化酵素 / 活性制御 / がん / アクチン細胞骨格 / SH3ドメイン |
Research Abstract |
非受容体型チロシンリン酸化酵素c-Ablは、その活性の制御異常が細胞がん化を引き起こすことが知られており、ヒトのがんにおいても変異が見られる。c-Ablの生理的基質及びがん化につながるメカニズムは未だ不明である。我々は、Abl結合タンパク質として見つかったAbi-1(Abl interactor-1)がc-Ablの基質の一つと考えられるMenaと結合し、c-AblによるMena296番目チロシン残基のリン酸化を特異的に促進することを見出した。この結果はAbi-1がc-Ablのリン酸化活性を制御するアダプタータンパク質として機能する可能性を示唆する。 Abi-1はAbi-2、NESHと共にタンパク質ファミリーを構成する。本研究では、Abiファミリータンパク質によるc-Ablのリン酸化活性制御の解析とAbiファミリータンパク質によって制御される新たなc-Abl基質の同定を行った。293T細胞を用いた過剰発現系により、c-AblによるMenaリン酸化への三種Abiファミリータンパク質の影響を調べたところ、Abi-2はAbi-1と同様にc-AblによるMenaリン酸化を促進し、NESHはむしろ阻害した。Abi-1とNESHのキメラタンパク質を作製しMenaリン酸化への影響を調べたところ、SH3ドメインを除くN末端側の領域に両者の性質が依存していることがわかった。またMenaと同様にAbiファミリータンパク質と結合しそのリン酸化が制御される基質として、アクチン細胞骨格の制御因子として知られているWAVE1、WAVE2とB細胞の分化に関係するBCAP (B cell adaptor for phosphoinositide 3-Kinase)を見出した。
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Research Products
(3 results)