2004 Fiscal Year Annual Research Report
p53、p51、MDM2のSUMO化による制御機構
Project/Area Number |
16022269
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Research Institution | Central Laboratory, Nippon Flour Mills Co., Ltd. |
Principal Investigator |
安田 秀世 日本製粉株式会社中央研究所, 生物科学研究部, 研究部長 (40111554)
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Keywords | p53 / スモ化 / PIAS / 翻訳後修飾 / 転写因子 / 癌抑制遺伝子 |
Research Abstract |
p53、p51のスモ化の意義について焦点を絞って研究した。その結果1)p53のホモログであるp51AあるいはBがスモ化されるかどうかを検討した。P51Bは高濃度のE2、Ubc9存在下ではE1とスモのみで、E3が存在しなくてもスモ化されたが、p51Aはスモ化されなかった。一方、低濃度のE2存在下ではスモ化にはPIASタンパク質の存在が必須であった。PIASタンパク質のうちPIAS1,PIASxαあるいはPIASxβがE3として機能した。次にp51Bのリシンの変異体を作製して検討した結果C末のK637がスモ化されることが明らかとなった。このリシン残基はスモ化サイトの共通配列KXEのリシンにあたる。またこのC末のリシンに対応するリシンはp51Aには存在せず、しかもp51Aはスモ化されなかった。2)試験管内でのスモ化が確認できたp51Bが細胞内でもスモ化されるかどうかをU20S細胞にp51B、FLAGタグSUMO-1およびPIASタンパク質を移入して検討した。p51Bのスモ化をウエスタンブロッテングで調べた結果PIASの存在下で野生遺伝子のp51Bはスモ化されK637R変異体はスモ化されなかった。このスモ化は少なくともPIAS1、PIASxαあるいはPIASxβ存在下で認められた。5)さらにPIAS1と各種変異体を用いて転写活性に与えるPIAS1の影響を検討した結果PIAS1による転写活性上昇はスモ化によるものではなくPIAS1そのものが転写促進活性を持つためではないかと強く示唆された。
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