2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16024211
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
錦織 千佳子 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50198454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長野 徹 神戸大学, 医学部附属病院, 助手 (20294225)
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Keywords | 悪性黒色腫 / 遺伝子多型 / GST / 免疫機構 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
悪性黒色腫は悪性度の高い皮膚悪性腫瘍で、東洋人では欧米人とは異なり、足蹠,指趾の末端に生じる末端黒子型と呼ばれる型が多く、日本人での発症促進因子、遺伝的背景を調べる必要がある。そこで、本研究では酸化ストレスに対する感受性の差、腫瘍の発育を許容する免疫機構の低下に関する遺伝子群に的をしぼり、その多型を調べた。15例悪性黒色腫患者似ついて遺伝子多型の検討を行った。まずIL10のプロモーター領域の3カ所の遺伝子多型-1082、-819、-592について調べた。解析には、塩基配列決定およびPCR-RFLP(制限酵素断片長)法を用いた。現在のところ、-819ではC/TあるいはT/Tが90%(コントロールでは20%)、-592ではA/AあるいはA/Cが88.5%(コントロールが20%)の結果を得ているが、コントロール数がまだ5症例しか集まっていないので、統計的な差は出ていない。グルタチオンSトランスフェラーゼ(S-GSTM)ファミリーであるS-GSTM1,SGSTP1,SGTM3、GSTT1について、遺伝子多型を解析したところ、GSTP1はIle/Ile, I le/Val, Val/Valがそれぞれ71%、25%、3%(コントロールは、25%、0%)、GSTT11についてはpositive 56%,Null44%(コントロールはそれぞれ50%、50%)でどちらもコントロールとの間で差がなさそうであったが、GSTM1に関してはNull type 80%,B/B type 20%(コントロールはそれぞれ50%、5%)で悪性黒色種においてGSTM1多型のNull typeの頻度が多い傾向が見られた。悪性黒色種症例においてGSTM1遺伝子多型におけるNull type 80%,B/B type 20%とコントロールに比してNull typeの頻度が多い傾向が見られた。しかし、症例数も少ないので、統計的な有意差を導くためにはなお症例を増やす必要がある。
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Research Products
(7 results)