2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16026201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
川原 裕之 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (70291151)
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Keywords | ユビキチン / プロテアソーム / 細胞周期 / 細胞増殖 / 分化 / 蛋白質分解 |
Research Abstract |
これまでに多くの細胞周期関連蛋白質がユビキチン-プロテアソーム経路で代謝調節されることが明らかにされてきた。ポリユビキチン化された蛋白質は26Sプロテアソームにより認識され分解へと導かれるが、その過程にどのような機構が存在しているかは現在まで明らかではない。我々のこれまでの実験により、プロテアソームユビキチン認識サブユニットには分子多様性が存在し、それぞれ幾つかの気質に対して全く異なる親和性を有することが示された。本研究では26Sプロテアソームが複数の細胞内蛋白質を峻別する気質認識の分子機構を明らかにして、細胞周期の新しい制御機構を提示することを最終目標にしており、そのための第一段階として気質蛋白質とのインターフェースとなるユビキチン認識サブユニット群を対象に、プロテアソームの気質認識多様性の生物学的意義の解明を目指した。我々は、線虫C.elegansを用いた解析から、ユビキチンレセプターサブユニットの一つがC.elegansの生殖系列の形成に必須であることを見い出し、減数分裂制御との関連で研究をまとめつつある。例えば、我々はC.elegansのユビキチンレセプターサブユニットRpn10変異と合成効果を示す遺伝子としてユビキチン鎖伸長因子E4(UFD2)を見い出した。このRpn10-UFD2二重変異の親株は正常に生存できるが、生殖系列の減数分裂過程に異常を生じ不稔の表現型を示す。さらに我々は減数分裂の進行に必須の役割を果たす新規CCCH型Zinc-finger遺伝子群の同定に成功し、これらをMOE-1,-2,-3と命名した。MOE-蛋白質群は卵母細胞など生殖系列に特異的に発現し、その機能阻害は卵成熟の停止を引き起こす。最近、我々は、細胞周期の調節に重要な役割を果たすE3ユビキチンリガーゼによってMOE-蛋白質群が減数分裂完了時に特異的にユビキチン化され分解除去されることを見い出した。これらの研究を通して、ユビキチン経路の基質認識を基礎にした代謝的安定性の新しい制御機構を明らかにして細胞周期研究に新しい領域を開拓することを最終目標に研究を進めている。
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Research Products
(4 results)