2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16026206
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
増山 典久 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (60313227)
|
Keywords | 遺伝子 / 細胞周期 / 癌 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
PI3キナーゼ・Akt経路がさまざまな細胞系において、細胞の生存促進や細胞増殖促進に働くことが示されているが、個々の系におけるAktの特定の機能については必ずしも明らかにされていない。本研究ではDNA損傷チェッポイント制御の際のAktの役割を明らかにし、その作用機序の解明を目指す。申請者のグループは以前にAktがMdm2をリン酸化して、p53のユビキチン化どタンパク質分解を促進することを明らかにしていたが、Mdm2はp53以外にE2F1に対するユビキチン化能を持つことを示唆する知見を得た(未発表)。組み替え型のタンパク質を用いた実験によって、Mdm2がE2F1を直接ユビキチン化し、Aktによるリン酸化がMdm2のユビキチンリガーゼ活性に重要であることを見いだした。またRNAi法によるMdm2のノックダウンによってE2F1タンパク質の安定性が増加することも明らかにしており、細胞内でMdm2がE2F1タンパク質の安定性制御に関与する知見を得ている。本研究ではさらに、Aktによるリン酸化がMdm2のユビキチンリガーゼ活性に与える影響について解析し、Akt-Mdm2経路によるE2F1のユビキチン化が細胞周期制御やアポトーシス誘導に果たす役割について検討する。Akt-Mdm2経路によるp53やE2F1への制御の機構を理解することが、DNAチェックポイントにおける細胞増殖停止・アポトーシス誘導の制御にとどまらず、ガン化誘導の分子メカニズムの解明にもつながると考えている。
|
Research Products
(6 results)