2004 Fiscal Year Annual Research Report
ガンキリン・INKによるサイクリン依存性キナーゼ活性制御機構の解析
Project/Area Number |
16026207
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀越 正美 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (70242089)
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Keywords | 細胞周期 / G1 / S期進行制御 / 癌 / ガンキリン / Nas6p / CDK / Rb / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
細胞周期G1/S期進行制御において、サイクリン依存性キナーゼ4/6(CDK4/6)による抑制癌遺伝子産物レチノブラストーマ蛋白質(Rb)のリン酸化修飾の正と負の制御は、細胞の癌化という重篤な結果をもたらすために、多数の因子によって巧妙な制御がなされている。この中で、CDK4/6のリン酸化酵素活性制御の最終段階は、アンキリン構造という1次構造上の特徴を持つ2種類の蛋白質(ガンキリンとCDK阻害因子(INK4))によって担われている。ここで、INK4,によるCDK4/6の抑制機構は、INK4-CDK4/6複合体の立体構造から詳細に解析されているが、その一方、ガンキリンの立体構造が未知であったために、ガンキリンによるCDK4/6の促進機構の詳細は不明であった。 研究代表者は、ガンキリンと高い相同性を持つ出芽酵母ホモログ(non-ATPase subunit6:Nas6p)の立体構造解析に成功し、Nas6pの立体構造情報に基づいて、ガンキリンとINK4がCDK4/6の共通の表面に競合的に相互作用することによって、CDK4/6の酵素活性を正と負に制御するという分子機構モデルを提出した[J.Biol.Chem.,1546-1552(2004)]。本研究では、この分子機構モデルを実証することを目的として、CDK4/6-ガンキリン複合体の立体構造解析、及び分子機構モデルからCDK4/6-ガンキリン間相互作用に重要であることが予想されるアミノ酸の点変異体を用いた生化学的解析を行う。これまでに、CDK4/6-ガンキリン複合体の結晶構造解析に用いるDNAコンストラクトを準備済みであり、ガンキリンに関しては結晶化に十分な純度と量の蛋白質サンプルを調製済みである。ガンキリンの野生体については、すでに27種類の点変異体について、純化した蛋白質を大量調製済みである。
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Research Products
(7 results)