2004 Fiscal Year Annual Research Report
Cdk9-サイクリンT複合体による発生・分化制御機構の解析
Project/Area Number |
16026213
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
和田 忠士 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 講師 (60262309)
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Keywords | Cdk9 / サイクリンT / ゼブラフィッシュ / PC-12 / NGF / モルフォリノオリゴ / フラボピリドール / ドームステージ |
Research Abstract |
本研究は、Cdk9-サイクリンT複合体を標的にして、ゼブラフィッシュを用いた発生・分化における作用メカニズム、およびラット副腎褐色細胞腫由来のPC-12細胞を実験材料として、神経成長因子NGF(nerve growth factor)で誘導される神経突起形成に関する研究を行うことを目的とした。ゼブラフィッシュCdk9(zCdk9)の翻訳開始コドン周辺を標的にしたモルフォリノオリゴ(MO-zCdk9)を作製し、これを受精後1時間以内の卵に微小注入した。コントロールモルフォリノオリゴ(MO-Cont)添加では、正常に卵割が進行し、少なくとも受精後4日目まで胚発生異常は観察されなかった。一方、MO-zCdk9の微小注入では、受精後3.8時間のドームステージで卵割が停止した。また、Cdk9の特異的活性阻害剤フラボピリドールの濃度を変えて受精直後の卵に添加し、濃度1μM以上においてドームステージで胚発生が停止する事を見出した。以上の結果より、ゼブラフィッシュ胚発生において、Cdk9活性が必須であることが示唆された。今後は、卵割が停止した細胞がアポトーシスを起こして死んでいるか、ゲノムDNAを抽出して解析する予定である。zCDK9に対する特異抗体の作製のためオリゴペプチド合成を行い、これをウサギに免疫したが、未だ反応性および特異性の高い抗zCdk9抗体は得られていない。今後は今回用いたオリゴペプチドとは違う領域に対する抗体スクリーニングを検討する予定である。一方、ラットPC-12細胞において、shRNAを利用したCdk9のノックダウンを試みた。ウエスタンブロット法でラットCdk9(rCdk9)がヒトCdk9に対する抗体と反応し、RNAi法でその蛋白質が低下することを確認した。今後は、Cdk9のノックダウンによる細胞増殖への影響や、NGFに対する反応性を検討する予定である。
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Research Products
(4 results)