2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16026229
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
土屋 英子 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (90127671)
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Keywords | S.cerevisae / クロマチンリモデリング複合体 / 減数分裂 / ヒストン修飾 / 転写制御 |
Research Abstract |
出芽酵母の二倍体細胞は減数分裂を行い、環境条件に耐性を持つ一倍体の子嚢胞子を形成する。この過程は、栄養増殖細胞が細胞形態のまったく異なる胞子へと変化する、酵母の細胞分化の過程で、定常期(静止期)の細胞で窒素源の枯渇が起きたときに開始し、500以上の胞子形成特異的な遺伝子が一定の順序で逐次的に発現することによって進行する。本研究は、出芽酵母をモデルとし、増殖から分化への切り替わりの機構を明らかにすることを目的としている。本年度の研究では、以下の点を明らかにした。 (1)分化開始のキー遺伝子であるIME2のクロマチン構造変換を介した転写開始の制御に、ヒストンアセチル化と、クロマチン再編因子RSCが重要な働きをすることを明らかにし、IME2プロモーター領域におけるクロマチン構造変化と、各転写因子がこの領域に結合する様態を明らかにできた。 (2)RSCの活性サブユニット、Nps1の変異株、ならびにRSCの他の構成因子の変異株の解析から、RSCは初期遺伝子遺伝子群の活性化だけでなく、胞子形成過程の後期にも必要であることを見出した。 (3)変異株の胞子形成過程における遺伝子発現を、マイクロアレイ法を用いて解析し、この株では中後期に発現し、胞子の形態形成に働く一群の遺伝子の転写が低下し、また後期に発現する遺伝子の発現時期が異常になることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)