2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16026234
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小林 英紀 九州大学, 大学院医学研究院, 助教授 (20150394)
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Keywords | 細胞周期制御 / サイクリン / タンパク質分解 / ユビキチン-プロテアソーム経路 / UbL-UBA蛋白質 / アフリカツメガエル / ポリユビキチン化 / プロテアソーム |
Research Abstract |
サイクリンは細胞周期の進行を制御するサイクリン依存性キナーゼ(CDK)活性調節タンパク質である。M期サイクリン(サイクリンAとB)のユビキチン依存の分解によりCDKが不活性化し、細胞はG1期に移行する。サイクリンAとサイクリンBは共にユビキチン-プロテアソーム経路で分解されるが、分解時期とそのしくみは異なり、それぞれ特異的な分解調節制御を受けている。従ってM期サイクリンの選択的分解のしくみの解明は細胞周期進行制御における重要な研究課題となっている。本研究では、細胞周期のサイクリン分解をモデル系にして、アフリカツメガエルと出芽酵母を用いてUbL-UBAドメイン蛋白質XDRP1の機能と構造を調べ、以下の結果を得た。 (1)アフリカツメガエル卵cDNAライブラリーからUbL-UBAタンパク質XDRP1の2種類のアイソフォームをクローニングした。両者(XDRP1LとXDRP1S)はUbLドメイン内の15アミノ酸配列が在る(XDRP1L)かない(XDRP1S)以外は互いに同じ配列を持っていた。 (2)両生類卵抽出液を用いてポリユビキチン化したサイクリンA/BとUBAドメインの結合、プロテアソームとの結合を解析した。XDRP1LとXDRP1Sは共にポリユビキチン化したサイクリンAとBに結合した。一方、XDRP1Lはプロテアソームと結合するが、XDRP1Sその結合が著しく低下した。その代わり、UbLドメインを介してサイクリンAとBと結合した。 (3)両生類卵抽出液を用いてXDRP1のサイクリンAとBの分解に対する効果を調べた。XDRP1SはCDK活性に依存したXDRP1S-サイクリンの結合に依存してサイクリンAとBの分解を抑制した。 (4)卵成熟と胚発生におけるXDRP1の発現を解析し、XDRP1はMBT前の初期胚で高度にリン酸化されるリン酸化蛋白質であることが分かった。 これらの解析を通して、細胞周期におけるサイクリン分解蛋の選択的制御機構に関わるUbL-UBA蛋白質による調節機構が明らかになった。
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Research Products
(3 results)