2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16026237
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
久永 眞市 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (20181092)
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Keywords | Cdk5 / p35 / 記憶 / 長期増強 / プロテアソーム / シナプス / リン酸化 / グルタミン酸 |
Research Abstract |
Cdk5/p35は分化した神経細胞で活性が検出される特異なCdkである。分裂出来ない神経細胞に分裂促進因子を発現させると、細胞死が誘導されることが知られている。それにも関わらず、細胞分裂促進因子群であるはずのCdkの一員が神経細胞で活性を持つということは不思議なことである。何故神経細胞は死なないのか、どのような機能を果たしているのか、どのように活性が調節されているのか等、興味の持たれるところである。Cdk群が細胞周期進行において重要な役割を果たしているように、Cdk5も脳形成時の神経細胞の移動、シナプス可塑性や神経細胞死などで重要な働きをしている。しかし、それぞれの神経活動に伴う活性制御については殆ど判っていない。我々は神経の主要な興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸がNMDA受容体を介して、p35の一斉分解を引き起こすことを見つけ、その分解カスケードを解析してきた。NMDA受容体はシナプス可塑性(長期増強や長期抑圧、記憶の形成)に関与していることが知られている。本研究では、Cdk5のdown regulationとシナプス可塑性、特に長期増強(LTP)誘導との関連を明らかにするために、NMDA刺激でCdk5の活性化サブユニットp35の分解が後シナプス部位で起こっているかどうかを蛍光抗体法を用いて検証した。NMDA刺激によるp35の分解を調べるのによい培養条件を検討したところ、培養1週間程度がp35の分解量が多く、それ以上長く培養するとp25へと限定分解されてしまうことが判った。細胞密度と培養日数を調整して、p35の分解をアクチニンを標準として調べたところ、シナプス後膜領域での減少がみられ、LTPとの関連がより深くなった。
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