2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16026242
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
田沼 靖一 東京理科大学, 薬学部, 教授 (10142449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩川 大介 東京理科大学, 薬学部, 助手 (90277278)
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Keywords | アポトーシス / DNaseγ / 細胞分化 / 細胞増殖 / Caspase |
Research Abstract |
我々がアポトーシスDNAエンドヌクレアーゼとして発見したDNaseγは、細胞種、細胞状態、アポトーシス刺激において、他のアポトーシスDNaseであるCAD、エンドヌクレアーゼGなどとは機能分担していることが明らかとなってきている。これまでの研究から、DNaseγは細胞分化過程を逸脱した細胞のアポトーシスのDNA断片化を触媒することを明らかにした。この知見は、増殖期と分化期では細胞死の機構が違うこと、及び、分化過程では典型的な(DNA断片化を伴う)アポトーシスの準備が行われ、分化異常をきたした細胞は首尾よくアポトーシスへの切り換えができる状態にシフトしていることを示唆している。 本年度の研究においては、筋細胞分化過程においてDNaseγがどのように活性化されるのか、つまり、どのCaspaseの活性化と連関しているかについて解析を行った。主要な実行CaspaseであるCaspase-3の阻害剤を用いてDNaseγによるヌクレオソーム単位での断片化が抑制されるか否かを調べようとしたが、市販のCaspase-3テトラペプチド阻害剤で特異性のあるものはないことが判明した。つまり、Caspase-3特異的阻害剤と言われているAc-DEVD-CHOは、他のCaspases(-7、-8、-9、)も同程度に阻害してしまう。そこで、我々が最近開発したin silico分子設計手法を用いて真にCaspase-3特異的阻害剤、コンピュータ内に発生させた全テトラペプチドの中から、結合自由エネルギー評価によるin silicoスクリーニングを行い、Ac-DNLD-CHOを設計することに成功した。さらに、本阻害剤は、DNaseγの関与するアポトーシスのDNA断片化を阻害することが明らかとなり、DNaseγの活性化にCaspase-3が重要な役割を果たしていることが判明した。
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Research Products
(16 results)