2004 Fiscal Year Annual Research Report
分裂酵母Mis6動原体複合体が果たすM期チェックポイント機能の解明
Project/Area Number |
16026244
|
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
齋藤 成昭 久留米大学, 分子生命科学研究所, 助手 (30352123)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 考太 久留米大学, 教授 (40303804)
|
Keywords | 染色体 / 動原体 / 紡鐸体 / M期チェックポイント / Mad2 |
Research Abstract |
M期チェックポイントは動原体と紡錘体の結合状態を監視してM期進行を制御します。M期チェックポイントにはMad2経路およびBub1経路の二経路が存在します。分裂酵母Mis6、Sim4は染色体均等分配に必須な動原体タンパク質です。Mis6あるいはSim4に欠損を持つ分裂酵母変異体中では、Mad2タンパク質のM期動原体への一時的集積が起こらないことをすでに明らかにしていました。今回、他の動原体欠損変異細胞(mis12-537,cnp1-1、nuf2-1)でのMad2の局在変化を解析したところ、nuf2変異体でもMad2の動原体集積に異常が生じていることを明らかにしました。またnuf2変異細胞中では、M期のSim4の動原体局在が不安定化することを見いだしました。一方、mis12、cnp1変異体ではMad2の動原体集積に異常は観察されませんでした。Mad2とは異なり、Bub1タンパク質のM期動原体への集積は上述のいずれの動原体欠損変異によっても影響を受けませんでした。紡錘体形成阻害剤(CBZ)を培養液中に添加すると、野生株細胞の場合ではM期チェックポイントの働きによりM期中期で細胞周期が遅延しますが、mis6-302変異体ではM期チェックポイントが機能せず、細胞周期が遅延しませんでした。遺伝的交雑によりmis6 mad2二重変異体、mis6bub1二重変異体、mis6mad2bub1三重変異体を作成して準許容温度での生育を比較したところ、mis6bub1およびmis6mad2bub1変異体の生育はmis6単変異体に比べて顕著に悪化しました。これに対してmis6mad2二重変異体の生育はmis6単変異体とほぼ同等でした。これらの結果は、Mis6-Sim4がMad2経路にのみ特異的に関与している可能性を示唆しています。現在、これらの結果をまとめた論文を投稿中です。
|