2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16026246
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
田中 誠司 国立遺伝学研究所, 細胞遺伝研究系, 助手 (50263314)
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Keywords | DNA複製 / CDK / Sld2 / S期 / pre-RC |
Research Abstract |
真核細胞の細胞周期の進行はサイクリン依存性キナーゼ(CDK)によって制御されており、S期のイベントであるDNA複製もその例外ではない。G1期には複製起点上に複製前複合体(pre-RC)が形成されて細胞にDNA複製能を与え、S期にはCDKの働きにより、pre-RCが活性化され、DNA複製が始まる。最近、申請者が所属する荒木研究室は、Sld2のS期CDKによるリン酸化がこの過程で重要な役割を果たすことが報告した。本申請研究では、S期CDKによるDNA複製開始の制御機構を解明することを目的とし、解析を行ってきた。CDKによるリン酸化型Sld2を模倣すると考えられる、リン酸化可能部位のアミノ酸残基のアスパラギン酸/グルタミン酸置換型Sld2変異体を作製したところ、アスパラギン酸置換型(Sld2-D)は成育できるものの、グルタミン酸置換型(Sld2-E)は生育できないことがわかった。さらに、Sld2-DでもS期CDK活性がない状態ではDNA複製開始がないことがわかったので、このことから、Sld2-DでもS期CDK活性がない状態ではDNA複製開始がないことがわかったので、このことから、Sld2のリン酸化はDNA複製開始に必要ではあるが十分ではなく、Sld2以外にもS期CDKの必須な基質があると結論した。その上で、Sld2以外のCDKの必須な基質に関する情報を得ることを目的とし、Sld2-D変異と合成致死となる変異のスクリーニングをおこなった。これまでに約4万の変異体をスクリーニングし、複数の変異体が得た。これまでに得られた変異のほとんどは、S期進行に欠損を示し、CDK活性なしでも顕著なDNA複製を行うようなものではいものの、変異遺伝子を決定したところ、ほとんどのものが複製フォークで働くことが示されている因子の変異であったため、引き続きスクリーニングを継続するとともに、得られた変異の詳細な解析も同時に行っている。
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Research Products
(1 results)