2004 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチンによる遺伝的組換えおよびDNA損傷修復の抑制機構とチェックポイント
Project/Area Number |
16026247
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
山尾 文明 国立遺伝学研究所, 分子遺伝研究系, 教授 (10158074)
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Keywords | 遺伝的組換え / ユビキチン / DNA損傷修復 / チェックポイント |
Research Abstract |
分裂酵母のUbc7(ユビキチン結合酵素 E2)の欠損により、体細胞分裂時の遺伝的組換え頻度が上昇していた.さらに、Ubc7欠損細胞は、DNA損傷誘起因子に対して野生株よりも高い抵抗性を獲得していた.Ubc7ユビキチン経路に働くユビキチンリガーゼ(E3)はCullin3をコアーとすることが判明した.BTB/POZドメインを有する一連のタンパク質群がCullin3タンパク質と複合体を形成し得ることが報告された.分裂酵母には3種のBTB/POZタンパク質が存在する.これらBTB/POZタンパク質が遺伝的組換えと修復の抑制機能に関わるかどうか、さらにこれらが基質との相互作用を担うアダプター分子として作用する可能性があるので、これらと相互作用するタンパク質の検定を2-hybrid法とタグ標識したBTBタンパク質と共免疫沈降するタンパク質の検索を行っている. Pcu3の活性はCSN複合体によるPcu3のNedd8修飾の切断活性により制御され、その変異は表現型としてDNA損傷複製チェックポイントに異常をきたすことが知られている.そこで、caal変異のUbc7/Pcu3ユビキチン経路に対する効果をUbc7、Pcu3、BTB/POZタンパク質とのエピスタシスを調べることで、Ubc/Pcu3ユビキチン経路のチェックポイント機能による制御の有無を調べている. 他方、この間に我々が観察した組換え頻度の上昇が、分裂酵母の一部の株に固有である(株依存症がある)ことが判明し、このユビキチン系による組換えの制御にはもう一つの未知の因子が関わると考えられる.この因子が何であるかを現在検索中である.
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Research Products
(1 results)