2004 Fiscal Year Annual Research Report
テロメア配列結合タンパク質TRF1による細胞寿命制御機構の解明
Project/Area Number |
16026250
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
中西 真人 独立行政法人産業技術総合研究所, ジーンファンクション研究センター, 研究チーム長 (10172355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽生 義郎 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物機能工学研究部門, 主任研究員 (20357792)
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Keywords | テロメア / 細胞不死化 / TRF1 / EGFP / モノクローナル抗体 / 核マトリックス / 染色体 / 発癌 |
Research Abstract |
本年度は、染色体末端のテロメアを構成するTRF1について研究を進め、(1)さまざまなヒト細胞でTRF1を検出するためのモノクローナル抗体の作成と、(2)TRF1とEGFPのキメラ・タンパク質の作成と細胞内動態の検討を行った。まず、バキュウロウイルスベクターを使って昆虫細胞で発現させたTRF1を精製し、これを抗原として3種のモノクローナル抗体を作成した。うち2つは本来のTRF1の局在である染色体末端を染色したが1つは細胞周期依存性を思わせる染色パターンを示し、現在さらに解析中である。これらの抗体はいずれもFormaldehyde固定でシグナルを検出できたが、リジン残基を一部保護する前処理をすることでさらに強いシグナルが検出できた。次に、TRF1を核マトリックスに結合している因子をクローニングするための準備として、EGFPとTRF1の一部を結合したキメラ・タンパク質を作成しているが、陽性コントロールのNLS/EGFP/TRF1全長タンパク質と、陰性コントロールのNLS/EGFPを作成してその局在を調べた。その結果、NLS/EGFP/TRF1全長タンパク質はTRF1と同様の局在を示し、この実験系の妥当性を示すことができた。現在、さらにTRF1全長を8つの部分に分けてキメラ・タンパク質を作り、核マトリックス局在ドメインを絞り込むと共に、TRF1を核マトリックスに結合する因子が豊富に含まれていると予想されるTIM細胞からmRNAを単離して、これを基にしたcDNAライブラリーを作成中である。
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