2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16027214
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 直樹 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30179501)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 拓哉 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (90346312)
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Keywords | 発生分化 / 動物 / 遺伝子 / 組織 / 発現制御 |
Research Abstract |
mab21l1ノックアウトマウスの解析 mab21l1ノックアウトホモ個体雄は野生型雌マウスとの間でも子供を作らない。ノックアウト雌もほぼ不妊であるが、きわめて低い頻度で野生型雄マウスとの間に子供を作ることが明らかになった。しかし、この子供は生後2日以内にすべて死亡していることから、母マウスの母性行動の異常が考えられる。不妊の原因は、試験管内授精の結果から、雄、雌共に生殖細胞の形成は正常であると考えられること、雄の包皮腺に形成異常があること、mab21l1遺伝子の発現が、鋤鼻器官、副嗅球、扁桃体、視床などの鋤鼻嗅覚神経系で観察されることなどから、性行動の異常によるものと考えて、上記の組織で特異的に発現している遺伝子群のノックアウトマウスでの発現解析を進めている。 mab21遺伝子産物の機能解析 mab21遺伝子産物にはこれまでに報告されているモチーフ等が全くなく、アミノ酸配列等からその生化学的機能を予測することはできない。そこで、mab21遺伝子産物の分子機能を明らかにするためにいくつかの実験をおこなった。mab21遺伝子産物に対する特異的抗体を用いた解析から、mab21蛋白は、マウス個体組織中で核に局在していることが明らかになった。また、mab21遺伝子の強制発現実験から、mab21蛋白は培養細胞内でも主として核に局在することが明らかになった。さらに、GSTタグを結合したmab21遺伝子産物を用いて精製した蛋白群を質量分析機を用いた解析を行った結果、mab21遺伝子産物と相互作用する蛋白として、importin, transportin, Sam68などの蛋白やRNAの細胞内輸送に関わるいくつかの蛋白や、Prl, LIM, Etsファミリーなどに属する多くの転写因子が同定された。これらの遺伝子産物との機能的相互作用を解析するため、培養細胞を用いた遺伝子導入実験をおこなったところ、mab21遺伝子産物は、遺伝子発現調節およびRNAの輸送に関わっていることが明らかになった。
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