2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16027223
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
菊池 裕 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20286438)
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Keywords | ゼブラフィッシュ / 内胚葉 / Notch / 中胚葉 |
Research Abstract |
私は解析が遅れている内胚葉形成機構の解明を本研究の目的としている。内胚葉細胞誘導に必須の遺伝子であるcasanova (cas ; Sox型転写因子をコード)の発現制御解析を行った結果、Eomesodermin (T-box型転写制御因子),Bonnie and clyde (Mix型転写制御因子),Faust (Gata5転写制御因子)により発現が制御されていることが明らかになった。3つのmRNAの過剰発現により異所的にcasの発現を誘導することが可能である。更に3つの転写制御因子によるcasの発現制御をより明確にするため、casのプロモーター領域(約3.6kbp)をクローニングし、3つの転写制御因子により発現が制御される領域の絞り込みを行った。その結果、開始コドンより約1.5kbp上流領域に3つの転写制御因子により制御される領域を同定することに成功した。 更に私は、未だに明らかにされていない内胚葉と中胚葉の分離機構の解明を目的に解析を開始した。胞胚期後期のゼブラフィッシュ胚では内胚葉と中胚葉は最も植物極側の周縁(植物極側から1〜3細胞以内)から誘導されることが報告されている。私は中内胚葉の分離にNotchシグナルによる側方抑制が関与していると推測し解析を行った。Notchの細胞内ドメインを過剰発現することによりNotchシグナルを活性化させると、cas, foxA2を発現する内胚葉細胞数が大幅に減少することが明らかになった。しかしNotchシグナルを抑制しても内胚葉細胞数を増加させることが出来ず、また中胚葉細胞特異的な初期マーカー遺伝子が存在しないことから中胚葉細胞の変化を観察することも困難であった。しかし、Notchシグナルが内胚葉細胞の誘導に何らかの関与を持つことが明らかになったので、更に内胚葉細胞誘導におけるNotchシグナルの機能解析を行う予定である。
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Research Products
(1 results)