2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトES細胞を用いたヒト発生および細胞分化解析システム
Project/Area Number |
16027225
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山下 潤 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (50335288)
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Keywords | ヒトES細胞 / 細胞分化 / 心筋分化 / 血管分化 / Flk1 / RNA干渉 |
Research Abstract |
我々は、マウスES細胞を用いた心血管分化研究を行ってきた。本研究は、ヒトES細胞においても系統的心血管細胞分化誘導できる新しい分化系を構築することにより、ヒトの発生および細胞分化機構を解明することを目的とする。本年度は、年度計画に従い以下の研究を行った。1)ヒトES細胞維持培養系の確立:ヒトES細胞使用計画「ヒトES細胞を用いた心血管細胞分化機構に関する研究」が文部科学大臣の確認を受け、ヒトES細胞の使用が可能となった。ヒトES細胞の培養を開始した。2)ヒトES細胞の中胚葉細胞(Flk1陽性細胞)への分化誘導:京都大学内分泌代謝内科との共同研究により、マウスES細胞とほぼ同様の条件により、ヒトES細胞をFlk1陽性細胞へ分化できることが明らかになっている。(曽根ら投稿中)3)ヒトES細胞由来中胚葉細胞からの心血管細胞の分化誘導:ヒトES細胞を種々の支持細胞上において培養することにより、2次元培養下に自己拍動する心筋細胞を分化誘導することに成功した。4)ヒトES細胞への遺伝子導入システムの構築と心筋純化法の開発:レンチウィルスを用いた遺伝子導入システムを構築中である。5)ヒト心血管細胞分化における遺伝子プロファイル作り:マウスES細胞を用いて、心筋及び血管リンパ管分化における分化各段階の細胞を分化誘導するとともに純化し(Yamashita, FASEB J,2005;万木ら投稿中;河野ら投稿中)、分化過程における遺伝子発現プロファイルを作製するとともに、分化に関与する遺伝子の網羅的同定を行った。6)siRNAを用いた機能阻害実験系の構築:誘導性shRNAを用いた新しいEs細胞における遺伝子機能解析系の構築を行った。内皮分化に必須であるFlk1遺伝子発現を抑制することにより、内皮細胞分化を阻害することに成功した。(平岡ら平成17年日本分子生物学会)。
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[Journal Article] Differentiation from embryonic stem cells to vascular wall cells under in vitro pulsatile flow loading.2005
Author(s)
Huang H, Nakayama Y, Qin K, Tamamoto K, Ando J, Yamashita J, Itoh H, Kanda K, Yaku H, Okamoto T, Nemoto T
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Journal Title
J Artif Organ 8
Pages: 110-118
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[Journal Article] Angiotensin II suppresses growth arrest specific homeobox (Gax) expression via redox-sensitive mitogen-activated protein kinase (MAPK).2005
Author(s)
5.Saito T, Itoh H, Yamashita J, Doi K, Chun TH, Tanaka T, Inoue M, Masatsugu K, Fukunaga T, Sawada N, Sakaguchi S, Arai H, Tojo K, Tajima N, Hosoya T, Nakao K.
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Journal Title
Regul Pept 127
Pages: 159-167
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[Journal Article] Therapeutic potential of thiazolidinedinoes in activation of peroxisome proliferator-activated receptor gamma for monocyte recruitment and endothelial regeneration2005
Author(s)
6.Tanaka T, Fukunaga Y, Itoh H, Doi K, Yamashita J, Chun TH, Inoue M, Masatsugu K, Saito T, Sawada N, Sakaguchi S, Arai H, Nakao K.
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Journal Title
Eur J Pharmacol 508
Pages: 255-265