2004 Fiscal Year Annual Research Report
Sox遺伝子によるタイプ2コラーゲンの発現制御の進化と軟骨の進化
Project/Area Number |
16027226
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
和田 洋 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助教授 (60303806)
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Keywords | Sox9 / Col2a1 / 神経堤 / 軟骨 / 進化 |
Research Abstract |
軟骨の基質となる遺伝子がSox9の制御を受けるようになる過程にどのような分子進化過程が必要であったかを調べた。Sox9は軟骨の分化に関わっていると同時に、鰓における軟骨の起源となる神経堤細胞の分化にも深く関わっていることが知られている。したがって、Sox9が軟骨の基質であるコラーゲンやアグレカンの発現を制御するには、細胞の環境に応じてターゲットの遺伝子を制御する必要が生じる。すなわち神経堤の分化に関わるターゲットと軟骨の分化に関わるターゲットを区別する必要がある。この制御機構の進化には細胞の環境に応じて結合するコファクターの存在が示唆され、実際にSox9が環境に応じていくつかのコファクターと結合していることがわかっている。そこで、このようなコファクターと結合するためにSox9自身が新たな機能ドメインを獲得した可能性について検討した。まずホヤのSox9を脊椎動物に導入したときに、神経堤細胞を誘導することができるかどうかを調べたところ、ニワトリ胚の神経板にホヤSox9を過剰発現させると過剰な神経堤細胞が誘導された。同様な活性をニワトリのSox9も有していることから、神経堤細胞の分化に関しては機能ドメインの進化は必要なかったことがわかった。現在軟骨細胞の分化に関わる機能をホヤのSox9が代替できるかについて、Col2a1の転写活性化をできるかについて、ほ乳類の培養細胞COS7を用いた解析を行って調べている。
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