2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16027228
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
関口 清俊 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (50187845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 雅司 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (90304055)
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Keywords | 基底膜 / 器官形成 / 毛包 / インテグリン / 細胞接着 / 上皮間充織相互作用 / MAEG / QBRICK |
Research Abstract |
毛包を器官形成のモデル系として、毛包形成の際に発現が強く誘導される新規細胞外マトリックス遺伝子をPCRを利用したcDNA subtraction法により検索し、2種類の新規基底膜蛋白質を同定した。一つは、EGFドメインを含む蛋白質としてMAEGという名前で既に報告されている蛋白質で、in situ hybridization解析の結果、発生過程の毛包間充織に強く発現していた。抗体を作製し、マウス胎児でのMAEG蛋白質の局在を免疫組織化学的に検索した結果、MAEGは発生中の毛包の側方基底膜に局在することが判明した。また、MAEGはインテグリン認識モチーフとして知られるArg-Gly-Asp配列を含み、実際に同配列依存的な細胞接着活性を示した。もう一つの新規蛋白質は、分子中央部に特徴的な約120アミノ酸残基の繰り返し配列を12個含むことから、QBRICKと命名した。このQBRICKは、MAEG同様Arg-Gly-Asp配列を含み、同配列依存的な細胞接着活性を示した。さらに、QBRICKと結合するインテグリンのタイプの検索を行い、インデグリンα8β1およびαvβ3がQBRICKの受容体として機能することを明らかにした。QBRICKはMAEGと異なり、発生中の毛包の先端部に限局して発現し、実際に伸張毛包先端部の基底膜に局在することが免疫組織化学的解析により確認された。これらの結果は、同じArg-Gly-Asp配列を含む細胞接着分子であり、どちらも発生中の毛包に発現する基底膜分子でありながら、MAEGとQBRICKはそれぞれ毛包の異なる部域に局在すること、すなわち基底膜の組成が毛包の部域ごとにカスタマイズされていることを強く示唆している。
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Research Products
(6 results)