2004 Fiscal Year Annual Research Report
眼発生システムにおける線維芽細胞増殖因子19の役割の解明
Project/Area Number |
16027238
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
大内 淑代 徳島大学, 工学部, 助教授 (00253229)
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Keywords | 線維芽細胞増殖因子 / FGF / FGF19 / 眼発生 / 網膜 / ニワトリ / マウス / 細胞分化 |
Research Abstract |
眼発生システムにおけるFGF19/15の役割について研究した.Fgf19遺伝子(ニワトリ)はヒト,ゼブラフィッシュ,マウス間のシンテニーからFgf15(マウス)と相同であるが,他のFGFと比較して種間のアミノ酸相同性が低い.眼形成の普遍的機構と多様性獲得のしくみを明らかにする目的で,Fgf19/15遺伝子のニワトリ,マウス胚における発現様式を比較した.その結果,ニワトリ,マウス胚においてFgf19/15ともに水晶体誘導期の眼胞遠位部に発現すること,神経網膜の特定網膜ニューロンの分化にともなって発現することがわかった.他の部位についてはFgf19/15の発現パターンはニワトリマウス間で非常に異なっており,その発現調節機構が両種間で異なることが示唆された.また,ニワトリ胚のレンズ誘導期においてFGF19-FGFRシグナル系がFgf8,L-Mafと相互作用している可能性が示唆された. 網膜,レンズには多くのFgfが発現しており,その機能の重複性,相違点を明らかにすることが重要である.FGF19とその機能を比較するために,FGF10の眼発生における役割についても研究を行った.その研究過程で,ヒトFgf10遺伝子異常を初めて見いだした。スウェーデンの家族性涙腺唾液腺形成不全症の2家系において2つの異なったFgf10遺伝子変異を同定した.Fgf10ヘテロノックアウトマウスにもヒト遺伝子疾患に対応する異常がみられることを明らかにした.
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Research Products
(4 results)