2004 Fiscal Year Annual Research Report
左右軸形成を制御するCaronteの下流遺伝子の探索と機能解析
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16027240
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
横内 裕二 熊本大学, 発生医学研究センター, 教授 (60252227)
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Keywords | Caronte / BMP / antagonist / 左右軸 / 非対称 / 内蔵 / 下流遺伝子 |
Research Abstract |
ニワトリ胚発生初期における左右非対称性形成は、node近傍における非対称なシグナル分子の位置情報がBMP antagonist, Caronteによって側板中胚葉まで伝達され、左側特異的な発生プログラムを起動する過程であると見なすことができる。 一方、発生中期において、肝臓や膵臓の原基は、内-中胚葉間の組織間相互作用によって腸管から出芽し、正中から左側に偏った方向に増殖する形で発生が進む。このことから、腸管内には臓器形成の予定領域特異的に組織の増殖方向を規定する機構が存在すると考えられる。 我々はCaronteの下流遺伝子を同定し、発生後期の器官形成における左右非対称増殖の分子機構を明らかにするために、ニワトリ胚発生後期における発生関連遺伝子群の発現パターン解析を行った。その結果、3種の分泌性因子が左右非対称に発現することを見出した。このうちclone 1,2は、stage17までに予定背側膵芽領域の中胚葉において左側に限局した発現を示し、それぞれ中胚葉の最外層および内層に発現することが解った。このことから、clone 1,2は肢芽形成時に見られる上皮-間充織間相互作用に類似した機構により、背側膵芽の増殖方向を決定する可能性が考えられる。現在、これらの遺伝子群がCaronteやPitx2の下流に位置するかどうか、また肝臓や膵臓の非対称増殖の制御に関与しているかについて検討している。
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