2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16027251
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
濃野 勉 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (20098619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 知弘 川崎医科大学, 医学部, 助手 (40330550)
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Keywords | Wnt3a / Wnt10a / 四肢形成 / Apical ectodermal ridge / FGF8 / Pax7 / 体節分化 / βカテニン |
Research Abstract |
ニワトリWnt3aは典型的なシグナル配列がなく分泌されにくいので、マウスWnt3a由来のシグナル配列と組換えて発現させた。このWnt3a (mcWnt3a)にIRES-NLS-eGFPを繋げて、エレクトロポレーション法でステージ(St)11-14の神経管に導入して発現させた。24時間後では近傍の体節でPax1の発現が消失したが、この時Pax7の代償的な発現は見られない。48時間後にはPax3とPax7の皮筋節での発現領域はわずかに拡大し、MyoDとMHC抗体で確認できる筋節領域は実質的に拡大していた。St10の体節板や体節I〜VIの外植片でもWnt3aタンパク質またはWnt3a発現細胞の培養上清を加えるとPax3、Pax7の発現が顕著に上昇する。体節I-IIIで見られるWnt3aの効果は細胞増殖の促進によるものであり、細胞死の変化によるものではない。 mcWnt3aを肢芽で過剰発現してもFGF8発現に対しては影響が見られないので、FGF8に先立って肢芽で発現するWnt10aについて、FGF8発現誘導因子としての可能性を調べた。Wnt10aはSt12で外胚葉全体で発現し、St16では前肢芽の外胚葉で強く発現するようになる。神経管や体節では発現しない。St18ではAERが形成される背腹境界で強い発現が見られるが、FGF8に比べて背腹軸ではより狭く、前後軸ではより広い。St21ではFGF8の発現と重なってAERで強く発現する。以後、前肢AERではSt29まで、後肢AERではSt34まで発現が継続する。ニワトリWnt10aもマウスWnt10aと同様に過剰発現でFGF8を異所的に誘導でき、その活性はマウスWnt3aとほぼ同程度であった。Wnt10aによりβカテニンが細胞質と核に集積することを確認した。Wnt10aがAER形成の内因性因子として関与していると結論される。
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Research Products
(6 results)