2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒドラ神経系のコンパートメント-その生成機構と機能的意義
Project/Area Number |
16027254
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
藤澤 敏孝 国立遺伝学研究所, 個体遺伝研究系, 助教授 (60000262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 裕 国立遺伝学研究所, 個体遺伝研究系, 助手 (60178986)
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Keywords | ヒドラ / 神経ペプチド / コンパートメント / 神経分化 / 機能解析 |
Research Abstract |
1.神経小集団のコンパートメントを形成する神経ペプチド遺伝子の同定:現在進行中のヒドラペプチド・EST両プロジェクトを利用して7種の新規ペプチド遺伝子を同定し、発現パターン解析を行った。その結果、触手のみ、足柄の一部のみ、頭部と足部を除く体幹部のみ等の限られた領域の神経にのみ発現が見られる遺伝子が6種同定された。1種は特に局在する発現は見られなかった。また、ダブルin situ hybridization法でこれら遺伝子を発現する神経細胞小集団間の関係を調べたところ、相互に重複している集団はなかった。このことから多くの神経細胞集団はヒドラ個体の特異的部位で発現するコンパートメントを形成すると結論した。 2.コンパートメントの神経細胞の分化様式、即ち幹細胞からの分化か他神経からの分化転換かをHym-176^+神経について調べた。抗BrdU/in situ hybridization 2重染色法を用いた結果、新たに分化するHym-176^+神経はすべてBrdUポジティブ、即ち幹細胞からの分化で有り、既存の神経の分化転換ではないことが判明した。 コンパートメント内の神経細胞が産生するペプチド分子の機能解析。これには、足柄下半部で特異的に発現するHym-176神経ペプチドの機能を2層の上皮筋肉細胞のみでできている上皮ヒドラにペプチドを作用させその動きをビデオ解析した。Hym-176は特異的に足柄を収縮させることから、コンパートメントは局部的に働く神経ペプチドをその機能部位に局在させることであると考えた。
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Research Products
(6 results)