2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16027260
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
津田 玲生 独立行政法人理化学研究所, 形態形成シグナル研究グループ, 研究員 (30333355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 茂生 独立行政法人理化学研究所, 形態形成シグナル研究グループ, グループディレクター (60183092)
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Keywords | 転写コリプレッサー / EGF / Notch / NRSF / REST / 神経発生 / ショウジョウバエ / 転写抑制 / ヒストン修飾 |
Research Abstract |
多細胞生物の感覚器は多様に分化した神経細胞と非神経細胞から構成され、それぞれの細胞は異なる遺伝子セットを発現している。異なる分化状態における遺伝子発現の調節にはヒストンの修飾が重要であることが予想されているが、当研究では、ヒストンの脱アセチル化あるいはメチル化に働く転写コリプレッサー複合体とヒトneuronal restricted silencing factor/repressor element RE-1 silencing transcription factor (NRSF/REST)様因子であるtacoの機能を解析した。 in situハイブリダイゼーションによる解析から、tacoは胚形成時初期(ステージ6)には胚全体に発現し、後期(ステージ12)では中枢神経系と末梢神経系に限局することがあきらかになった。このことから、tacoは胚形成過程における神経細胞の分化に密接に関わることが示唆された。そこで、tacoの機能をin vivoで調べる目的で、変異誘発剤(EMS)処理したハエからtacoの変異体を単離した。これまでに4系統の変異体の分離に成功しており、このうちtaco^<-1>についてはN末Znフィンガードメインの直前でストップコドンが入ることから完全な機能欠損(null)だと予想される。複眼でtaco^1の変異クローンを作成したところ、MFの進行が著しく阻害されることがあきらかになった。このときDeltaの発現を調べたところ、MFの阻害されている場所での過剰発現が観察された。この結果からDeltaの過剰発現により、MFの進行に必要なNotchのdownregulationが予想されることから、tacoの機能としてMFの開始時におけるDeltaの発現調節をおこなっていることが示唆された。
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