2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16027261
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
有賀 純 独立行政法人理化学研究所, 比較神経発生研究チーム, チームリーダー (10232076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石黒 亮 独立行政法人理化学研究所, 比較神経発生研究チーム, 研究員 (70373264)
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Keywords | Zic / zincフィンガー / 系統発生 / 進化 / 遺伝子発現調節 / エンハンサー / 神経発生 / 脳の多様性 |
Research Abstract |
本研究では、様々な生物種におけるZicファミリーの個体発生における役割を、系統発生学的な視点から比較解析し、Zicの発現、構造、機能と各生物種に特有な体の構造がどのように相関するのかを明らかにする。現在までに脊索動物、節足動物、軟体動物、扁形動物、環形動物、腔腸動物などのcDNA断片を単離することに成功した。重要度の高いものについては全蛋白質コード領域を得て、発現ベクターを作製し、機能比較を進めた。これまでの解析から、特定の体の構造の特徴と関係したドメインの候補が見いだされてきた。また、遺伝子構造の比較を行うため各生物種よりBACないしfosmidクローンを単離し、脊索動物、環形動物、軟体動物、扁形動物腔腸動物などのZic遺伝子の構造を決定した。同時に、系統的なSouthernプロット(zoo blot)を行い、クローニングの結果と合わせて、当該生物種における遺伝子ホモログの有無の判定を行っている。その他にZicと発生学的に関連の深い遺伝子、神経組織の系統発生を考える上で興味深いと考えられた遺伝子について、同様にcDNAより予測されるアミノ酸配列の系統間比較を進めた。蛋白質非コード領域で保存されていると判断された領域についてはエンハンサーが存在する可能性を想定して、ニワトリ、ツメガエル、マウスの系を用いて系統的なエンハンサー解析を進めた。また、各生物種において当該遺伝子の発現パターンをin situハイブリダイゼーションにより解析し、これも系統間で比較することにより、ゲノム保存領域とその種に固有な遺伝子発現パターンの関連性について、検討している。
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