2004 Fiscal Year Annual Research Report
APDによるシンチレーティングタイル・ファイバー型カロリメーターの読み出し
Project/Area Number |
16028206
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
吉田 拓生 福井大学, 工学部, 教授 (30220651)
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Keywords | 素粒実験 / カロリメーター / シンチレーティングタイル / アバランシェフォトダイオード |
Research Abstract |
はじめに、シンチレーティングタイル・ファイバー型カロリメーターで用いるシンチレーティングタイルの雛形を作製した。シンチレーティングタイルの構造については、これまで多くの研究者によって発表された文献等を参考にしながら、コンピューターによるシミュレーションを行い、カロリメーターの構造とエネルギー分解能との関係を実際に計算した上で決定することにした。その結果、本研究では、厚さ4mmおよび2mm、面積100mm×100mmの大きさの青色プラスチックシンチレーターの板に溝を掘り、波長変換材(WLS)で出来た直径1mmの光ファイバーを埋め込んだ構造のものを作製し、テストすることにした。次に、作製した雛形シンチレーティングタイルにMinimum Ionizing Particle(MIP)を照射し、タイルに埋め込んだWLSファイバーから得られる光をAPDで読み出し、その出力波高分析を行うための実験装置の準備を進めた。受光面1.5mm径のAPDを16個配列したアレイ型APDを真空容器の中に設置し、冷却用ペルチエ素子で-50℃まで冷却できるようにした。WLSファイバーは真空容器のアクリル窓に開けた穴を通して容器の中に引き込み、APDの受光面に結合させた。今年度、既に4mm厚の雛形タイルを用いて実験を始めた。APDはまだ冷却せず、室温中で測定を行っているが、1個のMIPから得られる平均光電子数が約90個となり、光電子増倍管を使った場合の4〜5倍に上ることが分かった。一方、あらかじめ予測されていたことではあるが、APDが光電子増倍管に比べて大きな過剰雑音係数を持つことも確認された。しかし、光電子数が増える効果のおかげで、APDを用いた方がエネルギー分解能は若干ながら良くなることが分かった。APDの冷却によってエネルギー分解能がさらにどこまで向上するかを確かめることが今後の課題である。
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Research Products
(2 results)