2004 Fiscal Year Annual Research Report
超小型シンチレータタイルをもちいたデジタルハドロンカロリメータの開発研究
Project/Area Number |
16028207
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
竹下 徹 信州大学, 理学部, 教授 (70154995)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川越 清以 神戸大学, 理学部, 助教授 (40183785)
|
Keywords | シンチレータ / カロリーメータ / デジタルカロリメータ |
Research Abstract |
デジタルハドロンカロリメータのためのシミュレーションをまず行った。その結果、タイルサイズ1cmx1cmで通常のアナログカロリーメータと遜色のないエネルギー分解能を得ることが示された。しかし、電子入射においては、測定エネルギーと入射エネルギーの間の相関が線形な形からかなりずれて非線形となることが顕著であり、ヒットタイル数によるエネルギー測定というデジタルカロリメーターの問題点を浮き彫りにした。ヒットを数え上げるための閾値への依存性は 1MIP(Minimum Ionization Particle)以下ではほとんど影響がなく、1MIP以上で顕著に非線形性の増加とエネルギー解像度の悪化として現れる。一方ハドロン(パイ粒子やK粒子)入射においてはその傾向は比較的小さいこともわかった。閾値依存性も、2MIPの点でエネルギー解像度が最低となるが、非線形性は電子とよく似た傾向を示した。入射エネルギーは1から64GeVにおいて計算した。タイルサイズを大きくしてゆくと、当然ながらエネルギー測定の非線形性はより顕著に悪く(ひどく)なることは見出された。特にそれは電子に対して顕著であることがわかった。少なくとも2cmx2cmより小さくないとデジタルとしての機能を果たしえないことが明らかになった。しかしながら、エネルギー分解能の実験データと良い一致は得られていないため、まだ追及すべきパラメータが存在することもわかった。他のシミュレーショングループとの比較も行い、ほぼ一致する結果を得た。一方小型シンレータタイルの製作も進み、ラッピングの方法を検討している。
|