2005 Fiscal Year Annual Research Report
大強度・高輝度加速器で使用するビームモニターの開発
Project/Area Number |
16028209
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中家 剛 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50314175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 将志 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90362441)
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Keywords | 素粒子実験 / 加速器 / 半導体検出器 / 放射線検出器 / ニュートリノビーム |
Research Abstract |
本研究では大強度・高輝度加速器でのビームモニターに使用する、ダイアモンド半導体検出器の基礎開発研究を行なった。ダイアモンド半導体検出器は大強度陽子加速器(J-PARC)や高輝度加速器(KEKB)での使用に耐える放射線耐久性を持った検出器で、今後の実用化が期待されている。本研究では、京都大学・化学研究所・先端ビームナノ科学センターにある110MeVの線形電子加速器を使って、ダイアモンド半導体検出器のビームテストを行なった。初めに、信号の時間波形を測定し10^8電子/パルスという大強度でも高速な時間応答性を観測した。そしてシリコン半導体検出器に対する電荷信号量を測定し、シリコンの20%という予想通りの結果を得た。次に、信号の印加電圧依存性を測定し、600Vまで緩やかな信号の増加を観測した。信号の電圧依存性は500V付近で0.1%/Vと、検出器が安定に動作することを確認した。続いて、信号の長期安定性と再現性の測定を行い、約10分間では0.5%以内で安定であることを確認した。ただ電圧印加直後もしくはビーム入射直後には信号の時間変動が発見され、これはポンピング効果等かもしれないが、今後追実験が必要である。最後に、J-PARCニュートリノ振動実験(T2K)でのミューオンビーム強度(10^8μ/cm^2)の領域で信号の線形性を測定し5%以内であることを測定した。今回、ダイアモンド半導体検出器に照射した放射線総量はT2K実験約1日相当分であり、信号の変化は予想通り見られなかった。本研究において、ダイアモンド半導体検出器はT2K実験やKEKB加速器でビームモニターとして使用できる要求を十分に満たすこと確認した。
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Research Products
(2 results)