2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16028215
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
住吉 孝行 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (30154628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横川 弘 松下電工(株), 新事業推進部, 主任研究員
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Keywords | シリカエアロゲル / 波長変換剤 / チェレンコフ光 |
Research Abstract |
本年度は様々な波長変換剤を入手し、それらとなじむ溶剤を選定する作業からはじめた。これらの波長変換剤が溶け込んだ溶液をシリカエアロゲルの超界乾燥前の前躯体であるシリカアルコゲルに溶け込ませることを試みた。しかし、これらの波長変換剤は芳香族が多く、アルコールにはほとんど溶けない。若干アルコールにも溶けるものも在るので、それを用いて物理的に波長変換剤をシリカアルコロゲルの骨格に混ぜ込んでの添加を試みた。出来るだけ多くの波長変換剤が残るものを選定したが、これは根気の要る作業であった。波長変換剤としてはPMP, PPO, DPO, POPOP, α-NPD, P-ターフェニールなどを用いた。こうして得られたサンプルを超臨界乾燥で溶剤を取り除きシリカエアロゲルを作成したところ、超臨界乾燥でほとんどの波長変換剤は抽出されてしまいシリカエアロゲルには少量が残存するのみであった。実際抽出された溶液を分析してみるとアルコゲルに溶け込んだはずの波長変換剤が多く含まれていた。 一方、波長変換剤を真空蒸着でシリカエアロゲルの表面に添加したものも製作したが、蒸着の厚さが足りなかったために、大きな効果は得られなかった。この方式では0.1μm以上の厚さが必要となるが、製作に時間がかかりすぎ、大量生産には向いていない。 上記の物理的添加と平行して化学的に添加する手段を薬品メーカーの技術者と相談しながら検討している。具体的にはシリカエアロゲルに含まれる水酸基を、強制的に波長変換に適した芳香族を含んだ分子に置換する方法である。現在、そのような薬品を設計中である。 尚、出来上がったシリカエアロゲルの光学的特性を測定する方法や宇宙線を用いたテストベンチによるチェレンコフ光の光量測定装置は完成した。
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