2004 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアの汚染物質長距離輸送予測のための海上降水量推定手法の開発
Project/Area Number |
16030206
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
片谷 教孝 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教授 (40242614)
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Keywords | 海上降水量 / 長距離輸送モデル / 東アジア / 衛星観測 / 酸性物質 |
Research Abstract |
東アジア地域では、酸性物質などの汚染物質の長距離輸送が重要な環境問題の1つとなっている。これらの長距離輸送過程には、降水による湿性沈着が強い影響を与える。日本は周囲を海に囲まれているため、国内の酸性物質の沈着量を把握するためには、海上での降水の影響を把握する必要がある。しかし海上の気象観測データは乏しく、また複雑な数値計算による予測は可能であるが、長期間にわたる酸性物質輸送の予測を行うためには必ずしも有効とは言えない。本研究はその点に着目し、海上での降水量を簡便に予測する手法を開発し、酸性物質等の長距離輸送の把握に役立てることを目的としている。 平成16年度においては、降雨観測衛星TRMMのデータを活用し、まず地上降水量データとの比較による有効性の検証を行った。次いで日本とアジア大陸の間の海上における降水量分布パターンを分類し、さらに地上天気図のパターンを分類して、各パターンごとに海上降水量パターンの出現確率を求めた。この確率モデルを筆者らが過去に開発した長距離輸送モデルに組み込んで、日本国内における硫黄酸化物湿性沈着量の試算を行った。その結果、概ね良好な沈着量予測値を得ることができた。
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