2004 Fiscal Year Annual Research Report
二次粒子の成長に対する有機化合物の影響に関する研究
Project/Area Number |
16030214
|
Research Institution | Kochi National College of Technology |
Principal Investigator |
長門 研吉 高知工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (80237536)
|
Keywords | 二次粒子生成 / 有機エアロゾル / イオン誘発核生成 / 硫酸ナノ粒子 |
Research Abstract |
SO_2/H_2O/Air混合ガスの放射線電離によって非帯電硫酸ナノ粒子を発生させ、有機化合物と反応させてその粒子数密度および粒径分布の変化を測定するための実験システムを構築した。実験システムは、混合ガス供給部、微粒子生成・反応部、および測定部から構成される。混合ガス供給部では、高純度空気を乾燥カラムおよび加湿器に通し、それぞれの流量をマスフローコントローラで調整することにより水蒸気量を制御する。これに濃度が既知のSO_2およびNH_3をマスフローコントローラで調整して加えられるようにした。 これまでの研究から、SO_2/H_2O/Air混合ガスの放射線電離によってイオン誘発核生成と均質核生成が同時に起こることがわかっている。したがって、イオン誘発核生成による帯電粒子と均質核生成による非帯電粒子が発生する。本研究では電荷を持たない非帯電硫酸ナノ粒子を実験に用いるため、イオナイザーで発生した微粒子を帯電粒子捕集器に導入して帯電粒子を取り除くことにした。捕集器を通過した非帯電粒子は反応チャンバーに導入され、ここで様々な有機化合物と混合される。有機化合物を入れた場合と入れない場合で、粒子数および粒径分布に生じる変化をそれぞれ凝縮核型粒子計(UCNC)および微分型静電分級器(DMA)によって測定する。 SO_2/H_2O/Air混合ガスの放射線電離によって生成する微粒子を帯電粒子捕集器を使って調べてみると、実際はほとんどが非帯電粒子であることがわかった。しかしDMAで計測するために荷電するとその一部分だけしか電荷を持たないため、荷電用Amによる非帯電微粒子のわずかな生成もその影響が無視できない。この問題点を回避するために荷電用Amによって生成する微粒子の粒径分布をあらかじめ測定しておき、その分を差し引くことによって非帯電粒子の粒径分布が測定可能であることを確認した。
|