2005 Fiscal Year Annual Research Report
半導体・磁性体複合構造を用いた非相反磁気光学デバイス及び集積化の研究
Project/Area Number |
16031204
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清水 大雅 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (50345170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 義昭 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (50183885)
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Keywords | 導波路光アイソレータ / 半導体光増幅器 / 磁気光学効果 / 単結晶強磁性金属 / 光集積回路 / 偏波無依存動作 |
Research Abstract |
前年度までに、TEモード半導体能動導波路光アイソレータの実証に世界で初めて成功した。本研究の導波路光アイソレータの課題の一つは偏波無依存動作である。半導体レーザとのモノリシック集積素子を実現するためには、通常の半導体レーザの偏波であるTEモードだけでなく、TMモードに対しても光アイソレータ動作を実現する必要がある。TMモード導波路光アイソレータでは、磁気光学効果をもたらす強磁性金属を半導体光増幅器の電極としても用いる。原理提案された当初、強磁性金属電極としてFeなどの一般的な強磁性金属が想定されていた。これらは一般に真空蒸着法等で製膜され、多結晶である。しかし、これらの強磁性金属とInGaAsPなどの化合物半導体で低コンタクト抵抗を実現するのは必ずしも容易ではない。磁気光学効果の大きいFeとp型InGaAsP界面では通常はショットキー接合が形成される。低コンタクト抵抗実現のために熱処理を施すと、非強磁性複合化合物が形成されるなど、電極/半導体界面が熱力学的に不安定、かつ、磁気光学性能が劣化する。そこで強磁性金属として、分子線エピタキシャル成長法によって製膜可能な単結晶強磁性金属のMnAsを用いた。MnAsはGaAs基板上に原子レベルで平坦で、界面が熱力学的に安定なエピタキシャル薄膜を製膜できることが確立されている。本年度はInP基板上のTMモード半導体増幅器上にMnAs単結晶強磁性金属電極を分子線エピタキシャル成長法によって製膜することに成功し、低コンタクト抵抗を実現した。導波路光アイソレータに加工した素子で、波長1540nmにおいて9.8dB/mmの光アイソレーションを実現した。これらの特性はNi/Fe多結晶電極を用いた場合と比較して優れており、単結晶強磁性金属MnAsの電気的・熱力学的・磁気光学的特性と化合物半導体の光増幅特性を適切に組み合わせて得られた成果である。
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Research Products
(2 results)